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準都市計画区域について知りたい方必見!準都市計画区域の基本を解説

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

「準都市計画区域」という言葉を耳にしたことはありますか?近年、どの地域でどんな規制があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に準都市計画区域がどのような場所で、なぜ設けられているのかは意外と知られていません。この記事では、そもそも準都市計画区域とは何か、指定される背景や目的、主な規制内容、調べる際のポイントまで、わかりやすく解説します。自分の土地や暮らしに関係する大切な知識を一緒に整理しましょう。

準都市計画区域とは何か

「準都市計画区域」とは、都市計画区域の外側に位置し、現時点で開発が進行中、または将来開発が見込まれている区域に対し、土地利用を規制するために都道府県が指定する区域を指します。都市計画区域外でも住宅建築や敷地造成などが進んでいる、あるいはその可能性がある地域に該当し、そのまま放置すると将来的に街として一体的に整備・開発・保全するうえで支障が出るおそれがある場合です。

項目 内容
指定主体 都道府県(都市計画区域をまたぐ場合は国もかかわる場合あり)
背景・目的 無秩序な開発や景観の悪化を防ぎ、将来の都市整備を支援
都市計画法上の位置付け 都市計画区域外に位置し、法第5条の2に基づき指定

指定にあたっては、都道府県が関係市町村や都市計画審議会の意見を聴いたうえで決定します。目的は、例えば高速道路のインター周辺や幹線道路沿いなどで見られる無秩序な土地利用や景観の損なわれを未然に防ぐためです。

準都市計画区域の指定要件とその意義

準都市計画区域は、都市計画区域外にあっても、すでに多くの建築物や造成が行われている、あるいは今後見込まれる区域について、都道府県が指定できる区域です。その目的は、将来、整備・開発・保全に支障が生じる恐れがある区域について、土地利用や環境保全の対策をあらかじめ講ずることにあります(都市計画法第5条の2)。

指定要件を整理すると、以下のとおりです:
• 都市計画区域外であること
• 建築物の建築や造成が現に行われている、または今後行われるおそれがあること
• 放置することで、一体の都市としての整備・開発・保全に支障が生じるおそれがあると認められること。

このように、無秩序な開発や景観の悪化を防ぎ、将来的な都市構造の秩序ある成長を促すことが意義とされます。都市計画区域とは異なり、積極的にインフラ整備や開発事業を行うための区域ではありませんが、用地利用のルールを準備しておくことで、秩序あるまちづくりを支える役割を果たします。

以下に都市計画区域との違いを簡潔にまとめた表をご用意しました。

項目都市計画区域準都市計画区域
指定主体都道府県(または国)都道府県
目的都市の整備・開発・保全を推進無秩序化を防ぎ、将来の支障を回避
都市計画制度の活用可能(都市施設整備や市街地開発事業など)不可(保全的な制限が中心)

このように、準都市計画区域は、あくまで将来の不整合を防ぐための予防的措置として位置付けられています。また、指定には市町村や都市計画審議会の意見聴取が必要であり、公示を経て判断されるため、透明性のあるプロセスで慎重に決定されます。

準都市計画区域で課される主な規制内容

準都市計画区域においては、市街化が進行中、またはその見込みがある土地利用を抑制し、秩序ある発展を促すために、さまざまな規制が設けられています。

まず、開発行為に関しては、一定規模以上の土地の区画変更や造成などを行う際には、都道府県知事または指定都市の市長による「開発許可」が必要です。一般の都市計画区域外では1ヘクタール(10,000平方メートル)が目安となりますが、準都市計画区域ではより厳しく、3,000平方メートル以上の開発行為に許可が求められます。ただし、農林漁業用倉庫などの場合は例外的に許可不要とされることがあります。

次に、建築物を新築・増改築・移転する場合には「建築確認申請」が必要になることがあります。特に10平方メートルを超える増築などの場合には確認を経て「確認済証」の取得、そして工事完了後の検査が義務付けられます。さらに、複数の建築物が集まる区域では、建築基準法に基づく“集団規定”が適用され、接道要件や敷地後退(セットバック)などが求められます。

また、用途地域が指定される場合には、建ぺい率・容積率・高さ制限などが設定されることがあります。用途地域がない区域では、例えば容積率は50〜400%の範囲、建ぺい率は30〜70%の範囲で、都道府県の都市計画審議会を経て定められます。さらに、道路斜線制限や隣地斜線制限、日影規制などの形態制限が適用されることもあります。

規制の種類 主な内容 適用の根拠
開発許可 3,000㎡以上の開発行為に対し許可が必要(例外あり) 都市計画法および都道府県条例
建築確認 10㎡超の増改築などに確認申請が必要、集団規定の対象 建築基準法(集団規定含む)
形態・用途規制 建ぺい率・容積率・高さ制限・用途地域によって異なる制限あり 建築基準法および用途地域の指定

以上のように、準都市計画区域では、開発及び建築に関する許可・確認、さらに形態・用途に関する細かな制限が課されます。該当地域での土地活用を検討する際は、必ず該当する都道府県の都市計画課や建築指導課などに事前に相談されることを強くおすすめいたします。


準都市計画区域を理解するためのチェックポイント

準都市計画区域に関心をお持ちの方が確認すべきポイントを整理しました。以下の表もご活用ください。

確認項目 内容 確認先
指定の有無 ご自身の土地や検討中の区域が「準都市計画区域」に指定されているかどうかを確認します。 都道府県や自治体都市計画課の窓口・公式サイトで地図や資料を入手
適用される規制 開発行為、建築行為に関する許可制や建ぺい率・容積率などの制限があるか確認が必要です。 都道府県条例や自治体のガイドラインをチェック
土地利用計画 今後の開発・整備予定があるか、自身の計画との整合性を考慮します。 自治体への相談や敷地周辺の都市計画図の閲覧

特に指定の有無は、将来の開発や建築の可否に直結する重要な事項です。都道府県または市町村の都市計画課など、所管窓口にて「準都市計画区域」として指定されているか、地図情報や都市計画図を確認することが必要です。この方法により、ご自身が関心のある地域に適用される具体的な規制が把握できます。

次に、適用される規制内容ですが、準都市計画区域では開発行為に対して都道府県知事等の許可が必要であり、また建築基準法上の建ぺい率・容積率・接道義務などの規制がある場合があります(条例による詳細な制限も含む)ので、ご注意ください。

さらに土地利用計画を考える点では、自治体の都市計画図やGISツール(全国都市計画GISビューアなど)を活用し、周辺の整備方針や用途地域の動向などを確認すると、自身の土地活用や資産計画に有用な視点が得られます。地域の計画情報は、自治体公式サイトや窓口で最新の資料を入手することが最も確実です。

まとめ

準都市計画区域は、都市計画区域外でも市街化が進行中または見込まれる地域に指定され、無秩序な開発や景観悪化を防ぐ重要な役割を担っています。都道府県が指定し、開発や建築には一定の規制がかかるため、土地の利用計画を立てる際には必ず該当地域であるかを確認しましょう。規制の内容や手続きの詳細は、自治体の窓口や公式サイトで事前に情報収集を行うことが大切です。将来の安心と資産価値のため、正しい知識で計画的に進めましょう。





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