バリアフリーリノベーションの補助金について!自治体の支援制度も解説

バリアフリーリノベーションの補助金について!自治体の支援制度も解説

バリアフリーリノベーションを行う際には、補助金や減税制度を活用することで費用負担を軽減できます。
介護保険による補助金、自治体独自の支援、そして所得税や固定資産税の軽減措置など、利用できる制度はさまざまです。
それぞれの制度の内容や適用条件を事前に把握し、計画的に進めることが大切です。

バリアフリーリノベーションに使用できる介護保険の補助金について

バリアフリーリノベーションに使用できる介護保険の補助金について

バリアフリーリノベーションを行う際、介護保険の補助金制度を利用すると経済的な負担を減らせます。
ここでは、補助金の条件や対象となる工事内容、補助金の金額について解説します。

補助金の条件

介護保険の補助金を受けるためには、申請者が要支援1・2または要介護1~5の認定を受けていることが前提です。
さらに、改修する住宅が被保険者証に記載された住所であり、実際に居住している必要があります。
入院中や施設に入所している場合は対象外ですが、退院後に自宅へ戻る予定がある場合などは、事前に自治体へ相談すると特例が認められることもあります。
補助金の支給は原則として一人につき一度で、工事費用の上限は20万円までです。
ただし、要介護度が3段階以上重くなった場合、再度20万円まで支給を受けられる特例があります。
また、申請時には被保険者の年齢や介護状態を示す書類が必要になる場合があります。
入手先や提出期限をあらかじめ確認しておくことで、手続きの遅れを防ぐことができます。
特に要介護度が変化するケースでは、再申請の時期を見極めることも大切です。

対象となる工事内容

介護保険の補助金が適用される工事は以下の6種類に限定されています。
1.手すりの設置
玄関や廊下、浴室、トイレなどに手すりを取り付け、移動や立ち座りを安全に行いやすくします。
2.段差の解消
室内外の段差をなくし、車椅子や歩行器を使いやすい環境にします。
3.床材の変更
滑りにくい床材への変更など、転倒防止を目的とした工事です。
4.扉の取り替え
開き戸を引き戸や折れ戸に変更し、車椅子でも通行しやすい出入口にします。
5.便器の取り替え
和式便器を洋式便器に替え、立ち座りの負担を軽減します。
6.その他の付帯工事
上記の工事に伴う床や壁の補強・補修なども対象です。
例えば段差を解消する際には、床の高さを揃えるだけでなく、素材の滑りにくさも考慮すると安全性が高まります。
浴室やトイレへの手すり設置では、利用者の体格や利き手に合わせた位置や角度を検討することが重要です。

補助金の金額

介護保険による住宅改修費の支給限度額は一人につき20万円までです。
工事費用の7割から9割が補助され、残りは自己負担となります。
例えば工事費が20万円の場合、最大18万円の補助を受けられ、自己負担は2万円です。
補助金は原則一度のみの支給ですが、工事費が20万円に満たない場合は残額を次回の工事に充てることもできます。
また、要介護度が重度化した場合は再度20万円の補助を受けることが可能です。
自己負担の割合は保険者の所得や介護度によって異なり、7割負担から9割負担まで幅があります。
特に高所得者は負担割合が高くなる傾向があるため、事前に市区町村の窓口で確認しておくと安心です。
収入状況の変化時には見直しも必要となるでしょう。

バリアフリーリノベーションに使用できる自治体の補助金について

バリアフリーリノベーションに使用できる自治体の補助金について

各自治体では、高齢者や障がいをお持ちの方が安心して暮らせる住環境の整備を支援するため、独自の補助金制度を設けている場合があります。
助成金額や対象となる工事内容は自治体によって異なるため、必ず公式ウェブサイトや窓口で最新情報を確認しましょう。

市区町村ごとの支援制度

例えば、東京都千代田区では省エネルギー改修等助成制度の一環としてバリアフリー工事を助成しているほか、他の自治体でも名称や条件は異なるものの、類似の支援制度を用意していることがあります。
要介護認定を受けていない方でも使える助成金が設けられている例もあるため、今後の介護リスクに備えて早めに情報収集するのがおすすめです。
自治体によっては高齢化対策の一環として、住宅改修に関する相談窓口を設けている場合があります。
専門スタッフによるアドバイスを受けられることも多く、実際の住環境や将来的な介護計画を総合的に検討するうえで大変役立ちます。

補助金の申請方法と確認事項

申請の手続きは自治体ごとに異なりますが、工事の着工前に見積書や申請書類を提出し、審査を受けるのが一般的です。
事後申請を認めないケースが多いため、リフォーム計画が決まった段階で担当窓口や公式ウェブサイトを確認し、必要な手続きを早めに進めてください。
なお、予算の上限に達した時点で受付が打ち切られる場合があるため、早めの行動が重要です。
自治体によって必要書類や審査基準が異なる場合があるため、公式サイトや役所に問い合わせる際には要点をまとめておくと効率的です。
複数社から工事の見積もりを取り寄せ、それぞれの明細を比較検討することで無駄なコストを抑えられます。

バリアフリーリノベーションに使用できる減税制度について

バリアフリーリノベーションに使用できる減税制度について

バリアフリーリノベーションを行うことで、所得税や固定資産税の軽減措置が受けられる場合があります。
制度ごとに適用条件が定められているため、詳細をよく確認し、条件を満たしているかどうかをチェックしましょう。

所得税の控除制度

所得税の控除には、自己資金で一定のバリアフリー工事を行う場合に適用される住宅特定改修特別税額控除(投資型減税)と、ローンを組んで改修を行う場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除(ローン型減税)があります。
投資型減税では50万円を超えるバリアフリー改修工事を実施した場合、工事費の10%(上限20万円)が所得税から控除されます。
ローン型減税では償還期間5年以上の借入金を用いて改修を行うと、年末時点のローン残高の2%を5年間、所得税から控除できます。
控除を受ける際には、工事内容がバリアフリーに該当することを証明できる書類の準備が欠かせません。
施工業者から発行される工事明細や図面が必要となる場合があり、改修部分が明確に示されているかをしっかり確認してください。

固定資産税の軽減措置

65歳以上、要介護・要支援認定を受けている方、または障がいのある方が居住する住宅でバリアフリー改修を行った場合、翌年度の家屋に係る固定資産税が1/3減額される場合があります(100平方メートル相当分まで)。
手すり設置や段差解消、床材の変更などが対象工事とされることが多いため、条件を満たしているかどうか自治体に確認してください。
固定資産税の軽減措置を申請する際には、どの部分の改修がバリアフリー化に該当するかを細かく説明できる資料を用意しましょう。
市区町村によっては写真や図面の提出を求められるため、工事前後の状況を記録しておくこともポイントになります。

特例措置の適用条件

減税制度を利用するには、改修後の住宅が自己の居住用であり、床面積が50平方メートル以上であることなどが基本要件です。
工事費用が50万円を超えることが必要ですが、補助金を受け取っている場合はその分を差し引いた額が判定基準となります。
また、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であることも条件の一つです。
合計所得金額が2,000万円以下という条件は、確定申告の際に証明する必要があります。
場合によっては源泉徴収票や所得証明書などの添付が求められるため、早めに書類を準備しておきましょう。

まとめ

バリアフリーリノベーションでは、介護保険の補助金や自治体の支援制度、そして所得税や固定資産税などの減税制度を活用することで費用負担を軽減できます。
それぞれの制度には適用条件や手続きが異なるため、事前に内容をしっかり確認しておくことが大切です。
活用できる制度を上手に組み合わせ、計画的に進めることで、より快適な住環境を整えましょう。