
区分所有者とは?|占有者との違いや権利、管理組合との関係を分かりやすく解説
この記事の結論
「区分所有者」とは、分譲マンションのように一棟の建物を構造上区切って所有できる建物で、その一室(専有部分)を所有している人のことです。実際に部屋に住んでいるだけの賃借人などの「占有者」とは立場が異なり、区分所有者には専有部分の所有権に加え、共用部分の共有持分や集会での議決権といった権利があります。また区分所有者は自動的に「管理組合」の構成員となり、マンション全体の管理・運営に関わることになります。まずは「所有しているか」「使っているだけか」で立場が分かれる、という点を押さえておきましょう。
1. 区分所有者とは?
区分所有者とは、分譲マンションのように「一棟の建物を構造上いくつかの部分に区切って、それぞれを独立して所有できる建物」において、その一室(専有部分)を所有している人のことをいいます。こうした所有形態や当事者の権利義務を定めているのが「建物の区分所有等に関する法律(通称:区分所有法)」です。
マンションを購入して名義人になった人は、その部屋(専有部分)の区分所有者になります。ここで大切なのは、区分所有者が持っているのは「自分の部屋」だけではないという点です。マンションには次の3つの要素があり、区分所有者はそれぞれに関わりを持ちます。
マンションを構成する3つの要素
自分だけの部屋
購入した住戸そのもの。区分所有者が単独で所有し、自由に使用・処分できる部分です。
みんなで使う部分
エントランス・廊下・階段・エレベーター・外壁など。区分所有者全員で共有します。
建物が建つ土地の権利
建物が建っている土地を利用できる権利。原則として専有部分と切り離して処分できません。
※区分所有者は「専有部分の所有権」だけでなく、「共用部分の共有持分」と「敷地利用権」もあわせて持つのが基本です。
つまり区分所有者は、自分の部屋を所有すると同時に、建物全体を他の所有者と共同で維持・管理していく立場にあります。この「一人で完結せず、みんなで建物を支える」という性格が、戸建ての所有者との大きな違いです。
2. 区分所有者と占有者の違い
マンションに関わる人を整理するうえで混同しやすいのが、「区分所有者」と「占有者」の違いです。ひとことで言えば、その部屋を 「所有している人」か「使っているだけの人」か の違いです。
区分所有者と占有者の違い(イメージ)
区分所有者
部屋を所有している人
- 専有部分の所有権を持つ
- 共用部分の共有持分を持つ
- 管理組合の構成員になる
- 集会での議決権がある
- 管理費・修繕積立金の負担者
例:マンションを購入したオーナー本人
占有者
部屋を使っている人
- 部屋を実際に使用・占有している
- 所有権や共有持分は持たない
- 管理組合の構成員ではない
- 集会で意見は述べられるが議決権はない
- 建物の使用ルールには従う義務がある
例:部屋を借りて住んでいる賃借人
占有者にも「使い方のルールを守る義務」はある
占有者は所有者ではありませんが、建物や敷地の使用方法については、区分所有者と同じルール(管理規約や集会の決議で定められた事項)に従わなければなりません。たとえば「ペット飼育の可否」「共用部分の使い方」「騒音への配慮」といった生活ルールは、借りて住んでいる占有者にも適用されます。
占有者は集会で「意見」は言えるが「議決権」はない
占有者は、自分の利害に関係する事項について集会で意見を述べることができます。ただし、あくまで議決権を持つのは区分所有者であり、占有者は決議に加わることはできません。「発言はできるが、票は持たない」と整理すると分かりやすいでしょう。
3. 区分所有者に認められる主な権利
区分所有者には、自分の部屋を所有・使用する権利のほかにも、マンション全体の運営に関わるさまざまな権利があります。代表的なものを整理します。
区分所有者の主な権利
- 専有部分を所有し、自由に使用・賃貸・売却できる権利
- 共用部分を、共有持分に応じて利用できる権利
- 敷地を利用できる権利(敷地利用権)
- 管理組合の構成員として運営に参加する権利
- 集会(総会)で議決権を行使する権利
- 一定の要件を満たせば、自ら集会の招集を請求できる権利
専有部分に関する権利
区分所有者は、購入した専有部分を自分のものとして自由に使うことができます。自ら住むのはもちろん、第三者に貸して家賃収入を得たり、売却したりすることも可能です。ただし建物全体のルール(管理規約)の範囲内で行う必要があります。
共用部分・敷地に関する権利
エントランスや廊下、エレベーターなどの共用部分は、区分所有者全員の共有です。区分所有者は自分の共有持分に応じてこれらを利用できます。共有持分は、原則として専有部分の床面積の割合によって決まります。
集会(総会)での議決権
マンションの重要な事項は、区分所有者が集まる「集会(総会)」での決議によって決まります。区分所有者はここで議決権を行使できるため、大規模修繕や規約の変更など、建物の将来に関わる意思決定に関与できます。議案の内容によって必要な賛成割合が変わる点も、区分所有法の特徴です。
4. 管理組合とは?区分所有者との関係
マンションには、区分所有者全員で構成される「管理組合」という団体があります。区分所有法では、区分所有者が複数いる建物では、区分所有者は当然に建物や敷地の管理を行うための団体を構成するとされています。つまり、管理組合は届け出や加入手続きによって成立するものではなく、マンションを購入して区分所有者になった時点で、自動的にその構成員になるのが原則です。
区分所有者と管理組合の関係
マンションを購入
専有部分を取得し、区分所有者になる。
自動的に管理組合の構成員に
加入手続きは不要。区分所有者になると当然に構成員となる。
管理・運営に参加
集会で議決権を行使し、管理費・修繕積立金を負担する。
管理組合の主な役割
管理組合は、マンションの共用部分の維持・管理を中心に、建物全体を良好な状態に保つための運営を担います。具体的には、共用部分の清掃・修繕、管理規約の作成・変更、大規模修繕計画の策定、管理費や修繕積立金の管理などが主な役割です。日々の管理業務は、管理会社に委託しているマンションが多く見られます。
集会(総会)で意思決定を行う
管理組合の意思決定は、区分所有者が集まる集会(総会)での決議によって行われます。規約の変更や大規模修繕といった重要事項は、議案ごとに定められた賛成割合を満たすことで決まります。区分所有者は集会に参加し、議決権を行使することで、マンションの運営に関わっていくことになります。
ここがポイント
- 管理組合は区分所有者全員で構成される団体
- 区分所有者になると自動的に構成員になる(脱退は原則できない)
- 占有者(賃借人など)は管理組合の構成員ではない
- 重要事項は集会(総会)の決議で決まる
5. よくある質問(FAQ)
区分所有者と所有者は同じ意味ですか?
マンションを人に貸すと、区分所有者ではなくなりますか?
賃貸で住んでいる場合、管理費や修繕積立金は誰が払いますか?
管理組合には必ず加入しないといけませんか?
占有者は集会(総会)に参加できますか?
6. まとめ
区分所有者とは、分譲マンションのような区分所有建物で専有部分を所有している人のことです。部屋を実際に使っているだけの占有者(賃借人など)とは立場が異なり、区分所有者には専有部分の所有権に加えて、共用部分の共有持分や敷地利用権、集会での議決権といった権利があります。
また、区分所有者はマンションを購入すると自動的に管理組合の構成員となり、建物全体の維持・管理に関わっていくことになります。マンション購入を検討する際は、自分の部屋だけでなく、共用部分の管理状況や管理組合の運営、修繕積立金の状況までチェックしておくと、購入後の安心につながります。
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