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飲食店経営で許可取得までの流れは?物件探しの見るべきポイントも紹介

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

飲食店を始めてみたいけれど、物件探しや営業許可の取得にはどのような流れがあるのか、不安に感じたことはありませんか。物件選びはもちろん、事業計画や許可に関わる手続きも飲食店経営には欠かせません。本記事では、物件探しの基本ステップや見るべきポイント、営業許可取得までの具体的な流れ、そして効率的な進め方について分かりやすく解説します。これから飲食店経営を目指す方が安心できる情報をお届けします。

物件探しの基本ステップとチェックポイント

飲食店を開業する際、物件探しは計画の中でも非常に重要なステップです。まずは事業計画をもとに、立地・賃料・広さのバランスを見極めることから始めましょう。立地については、「誰をターゲットにするか」に応じてエリアを逆算し、ターゲット層が日常的に訪れる場所かどうかを慎重に検討する必要があります。たとえば、オフィス街ならランチ需要、住宅街なら地域住民のリピートなど、それぞれに応じた商圏分析を行うことが大切です。

次に、物件探しの流れとしては、条件検討→内覧→申し込み→契約という基本プロセスを踏みます。特にスケジュール面では、開業から逆算して物件探しを開始することが肝要です。一般的には開業の6~12ヶ月前から探し始め、契約後に余裕をもって内装工事や許認可取得に備えるのが望ましい流れです。

さらに、賃料は単なるコストではなく事業の投資と捉える視点が必要です。飲食業界では「家賃は月商の10%以内」が理想とされ、これを基準に売上目標を逆算することで、現実的な資金計画を立てられます。例えば家賃が50万円なら、月商500万円を目指す、という具合です。

また、見落としがちですが、空家賃(契約から開業までの家賃負担)や内装、許可取得のスケジュール調整にも留意しましょう。空家賃が長くなると資金負担が増え、内装工事の範囲や保健所の事前相談タイミングによっては、開業スケジュール全体に影響を及ぼすことがあります。早めの段階から許認可に必要な設備や工程を確認し、余裕あるスケジュール設計をしておくことが重要です。

ステップ内容ポイント
条件検討立地・賃料・広さなどを整理事業計画に照らして無理のない設定で
内覧設備や導線、許可対応状況を確認水回り・換気・構造などを詳細にチェック
申し込み・契約空家賃や契約条件を見極めながら開業スケジュールとの兼ね合いを重視

物件選びで見るべき具体的条件と判断基準

飲食店開業を検討されている方にとって、物件選びは経営の成否を左右する重要なステップです。ここでは、コンセプトやターゲットに基づいたエリア選定、家賃の負担バランス(家賃比率の目安)、さらに居抜き・スケルトンそれぞれの特徴と注意点を整理します。

条件 ポイント 注意点
エリア選定 ターゲット層に近い立地を選びます ただ安いだけで人通りが少ないと集客に苦労する恐れがあります
家賃比率 理想は月商の7~10%、許容範囲は15%まで 15%を超える場合は利益圧迫のリスクが高く慎重な検討が必要です
物件形態 居抜きはコスト抑制&開業スピード重視、スケルトンは自由度重視 居抜きは設備の老朽化、スケルトンは初期投資と期間の長期化に注意が必要です

まず、店舗のコンセプトや想定する顧客層から逆算して、エリアを絞り込みましょう。例えば、若年層をターゲットにするなら駅近くや商業施設周辺、オフィス街を狙うなら昼夜の客層変動も意識してください。一方、家賃だけを比較して人通りの少ない場所を選ぶと、結果的に広告費がかさんでしまう場合がありますので、立地の魅力や集客力が「見えない資産」として働く点も考慮に入れてください。

次に、物件形態ごとのメリット・注意点です。居抜き物件は前テナントの内装・厨房設備を引き継げるため、内装や設備投資を抑え、開業までの期間を短縮できます。しかし、設備の老朽化やレイアウトの制約といったリスクもあります。専門業者による現地調査や動作確認の実施が安心につながります。一方、スケルトン物件は自由度が高く、ブランドイメージに忠実な店舗設計が可能ですが、工事費や期間が膨らみがちで、開業資金やスケジュールの余裕が必要です。



飲食店営業許可取得までの流れと留意点

飲食店営業許可を取得するには、まず営業予定地の所在地を管轄する保健所(食品衛生課)へ事前相談することから始まります。その際、店舗の構造や衛生設備などが基準を満たしているかを確認します。相談後、必要書類をそろえて申請を行い、保健所の現地検査を受けます。検査を通過すれば営業許可証が交付され、営業が可能になります。

営業許可に必要な資格としては、「食品衛生責任者」の設置が必須です。これは都道府県が実施する講習を受けることで取得でき、多くの場合、申請前に取得することが望ましいとされています。また、店舗で火を使う場合には「防火管理者」の選任や講習修了証が必要になる場合があります。これらの資格・講習は開業スケジュールに余裕を持って準備を進めてください。

さらに、深夜営業や酒類提供、接客スタイルに応じて追加の届出・許可が必要なことがあります。深夜0時以降に酒類を提供する場合には、「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を管轄の警察署へ、営業開始の10日前までに提出する必要があります。提出には店舗図面や設備概要、営業方法、メニュー表など、詳細な書類が多く求められます。要件に合致しない場合や提出が遅れると営業開始の遅れにつながりますので、物件契約前から警察への相談を行い、慎重に進めましょう。

下表に、許可取得までの流れと必要な資格・届出をまとめています。

ステップ 内容 留意点
事前相談(保健所) 店舗構造・設備の確認 早期相談で修正リスクを抑える
必要資格取得 食品衛生責任者、防火管理者等 講習日程や取得時期に余裕を
深夜営業届出(必要な場合) 警察署へ図面・営業方法などを提出 営業開始の10日前までに余裕を持って

物件探しと許可取得を効率よく進めるためのポイント

飲食店開業にあたっては、物件探しと営業許可取得は避けて通れない二本柱です。これらを効率よく進めるには、以下のようなポイントに注意しておくことが肝心です。

ポイント内容注意点
スケジュール設計 物件探しと許可申請を同時並行で進める計画を立てます。 許可取得の遅れが開業全体を遅らせる可能性があるため、余裕を持った日程設定が必要です。
関係者との早期連携 内装業者や保健所などの管轄機関へ早めに相談を始めます。 後回しにすると設計変更や追加工事で費用や時間が増える恐れがあります。
固定費と資金計画 家賃などの固定費と運転資金を並行して見積もり、資金計画に組み込みます。 運転資金は少なくとも3〜6か月分を確保し、FLR比率も踏まえて計画します。

まずはスケジュール設計です。物件探し、設計・内装工事、許可申請という複数の工程は重複することが多いため、一つひとつ完了させてから次に進むのではなく、並行進行を前提とした余裕ある計画が重要です。特に保健所への事前相談や現地検査の調整が入るため、開業日から逆算したスケジュール設計が欠かせません。

次に、内装業者や保健所などとの早期連携です。内装の設計段階から飲食店営業許可の基準(床・壁・排水設備など)を満たした仕様にするためには、経験ある業者や管轄機関への早めの相談が効果的です。これにより、後から設計変更や工事のやり直しに伴う時間と費用を避けることができます。さらに、営業スタイルに応じた許可や届出(例:深夜営業や酒類提供など)についても、早期に確認しておくと安心です。

最後に、固定費と資金計画の見直しです。家賃などの固定費は経営を継続する上で避けがたい負担となるため、開業前から運転資金として3〜6か月分を余裕を持って確保するのが望ましいとされます。また、FLR(食材費・人件費・家賃)比率も月商に対して70%以下が目安となり、特に家賃は8〜12%程度に抑えるのが理想的です。これらを踏まえた資金計画を物件選びの段階で行い、無理のない計画の基礎を築いておくことが成功への近道です。

まとめ

飲食店の経営を考える際は、物件探しや許可取得の流れをしっかり理解し、事前準備を怠らないことが大切です。物件の選定では、事業計画に沿った立地や広さ、賃料のバランスが重要であり、同時に営業許可取得までのスケジュールを意識する必要があります。内装や設備の計画と、保健所や関係機関との相談を早めに始めることで、開業までの流れがより円滑になります。慎重な計画と一歩ずつ着実な行動が成功への近道です。どなたにも分かりやすい進め方を意識して、ぜひ理想の飲食店の実現を目指してください。



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