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市街化区域と市街化調整区域の違いは?建築制限や区域の特徴もあわせて解説

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

土地や建物を購入・建築する際、「市街化区域」と「市街化調整区域」という言葉を耳にしたことはありませんか?これらの区域には、建物を建てるためのルールや目的、生活環境などに大きな違いがあります。特に建築制限は、将来の生活や投資に直結する重要なポイントです。本記事では、それぞれの区域の特徴や、知っておきたい建築制限の違い、実際に区域を選ぶ際の注意点まで、分かりやすく解説します。あなたの理想の暮らしを叶えるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

市街化区域と市街化調整区域とは

都市計画法において、土地利用の秩序的な誘導を図るために、市街化区域と市街化調整区域という2つの区域区分が定められています。市街化区域はすでに市街地として発展している、またはおおむね10年以内に優先的に整備される予定の区域で、住宅や商業施設、公共インフラの整備が進んでおり、比較的自由に建築が可能です(用途地域も細かく定められています)。一方、市街化調整区域は無秩序な市街化を抑制し、自然環境や農地を保全するために指定されており、原則として新たな建築や開発は認められていません。

両者の特徴を比較すると以下のようになります。

項目市街化区域市街化調整区域
目的計画的な市街地形成・開発推進市街化の抑制・自然・農地の保全
建築の可否用途地域による制限はあるが比較的自由に建築可能原則として建築不可(例外的許可あり)
インフラ状況道路・上下水道など整備済で利便性高い未整備または整備が遅く、自費負担が必要な場合あり

このように、市街化区域は生活環境が整備されていて資産価値も安定しやすく、市街化調整区域は自然やコスト重視の方に向いているという傾向があります。

建築制限の違いと制度的背景

市街化区域では、多くの場合、用途地域が指定されており、建ぺい率や容積率などの制限はあるものの、比較的自由に建築することが可能です。用途地域には13種類があり、住居系・商業系・工業系に分類され、それぞれ建築可能な建物や密度が細かく定められています。たとえば、第一種低層住居専用地域では建ぺい率30~60%、容積率50~200%などが設定されます。一方、準工業地域では建ぺい率50~80%、容積率100~500%などです。これらの制限は、安全性や景観、周辺環境保護の観点から設けられています。自治体の都市計画担当窓口や確認申請時に用途地域ごとの具体的な数値を確認することが重要です。

これに対して市街化調整区域は、「原則として建築不可」とすることで無秩序な市街化を防ぎ、自然環境や農林水産業の保全を目的としています。都市計画法により、建築物の新築・増改築・用途変更などは、原則として許可されていません。たとえば、プレハブ、ユニットハウス、カーポート、ログハウスなども建築物と見なされ、規制対象となります。

制度的には、市街化区域では都市計画法に基づく用途地域の指定や建築基準法に基づく制限が主な規制ですが、市街化調整区域では都市計画法第34条および第43条、第29条に基づく開発許可制度が重要です。さらに、農地を宅地に転用する場合には農地法の手続きも必要になることがあり、より複雑な法制度の理解が求められます。

区域区分建築制限の内容適用法制度
市街化区域用途地域に基づく建ぺい率・容積率等の制限はあるが建築可能都市計画法(用途地域)、建築基準法
市街化調整区域原則建築不可。例外的に開発許可取得で建築可能都市計画法(第34条・第43条・第29条)、農地法など

市街化調整区域における例外的な建築許可のケース

市街化調整区域では、原則として新たな建築は認められていませんが、以下のように例外的に建築が可能なケースがあります。

例外ケース条件概要許可の有無
既存住宅の建て替え・増築 線引き前から存在する住宅で、同一敷地・同一用途・同規模(または床面積1.5倍以内) 市町村への事前確認の上、許可不要の場合あり
農林漁業従事者の住宅 農業・漁業従事者が住む目的の住宅で、従事の証明が必要 条件を満たせば許可不要
公益的施設等(店舗・社会福祉施設など) 地域住民に必要な施設(例:学校、福祉施設など)で、立地や用途が条件に適合するもの 都道府県知事の開発許可が必要

特に既存住宅の建て替えは、従来からその敷地内に適法な建築物があった場合、同一用途・規模内であれば、建築確認申請前に市区町村による事前確認が行われ、許可不要とされる場合があります。たとえば、戸建て住宅で床面積が従前の1.5倍以内などの条件です。こうした制度により、緊急時の住み替えや修繕の柔軟性が確保されています。

また、農林漁業従事者が自ら居住するための住宅については、農業委員会や漁業組合などによる従事証明を用意することで、市街化調整区域内でも建築が許可されることがあります。これは地域での産業継続や生活基盤の維持を図る目的とされています。

さらに、地域住民の生活に資する店舗や社会福祉施設などについては、都市計画法第34条の立地基準を満たす必要があります。具体的には、周辺の既存集落とともに日常生活圏を形成していること、用途が市街化を促進しないものであることなどの要件をクリアし、都道府県知事の開発許可を得た上で建築できる場合があります。

このように、市街化調整区域だからといってすべての建築が不可というわけではなく、用途や土地の状況によっては、適切な手続きを経て例外的に建築が可能になります。ご自身の土地で該当する可能性がある場合は、まず自治体の都市計画課や建築指導課などに事前相談することをおすすめします。



区域選びの視点と確認すべきポイント

土地を選ぶうえで重視すべき視点は、ご自身の目的と照らし合わせることです。生活利便性や資産価値を重視するのであれば、市街化区域が適しています。インフラが整備され、生活施設や公共交通機関へのアクセスが良く、将来的な再販やローン審査で有利になる傾向があります。

一方、静寂や自然環境を優先し土地価格や固定資産税を抑えたい場合は、市街化調整区域にも魅力があります。ただし、原則として建築不可であり、許可が得られるかどうかは農地転用や自治体の開発許可次第です。

下表のように、目的に応じた区域選びの視点を整理しました:

視点市街化区域市街化調整区域
暮らしやすさ・利便性高い(インフラ・施設が充実)低い(インフラ整備は後回し)
資産価値・売却しやすさ安定しやすい低め・買い手が限られる
建築の可否・手続き比較的自由・届出で済む場合も原則不可、許可が必要

また、具体的に自分の土地・検討中の土地がどの区域に該当するかは、以下の方法で確認することが重要です。

  • 自治体のホームページにある都市計画図や都市計画マップで色分け表示を確認する方法(たとえば市街化区域・調整区域が色で分かれて表示されます)。
  • 不動産情報サイトや仲介会社に「都市計画区域」または「区域区分」の情報を問い合わせる方法。記載がない場合もあるため、自治体の情報と照合するのが安心です。

さらに、将来的な区域変更の可能性にも注目しましょう。市街化調整区域が市街化区域に変更されることで、建築可能性や土地の資産価値が向上する可能性がありますが、変更には5年ごとの見直しがあり、自治体によってはパブリックコメントを募るなどの手続きが必要になります。

まとめ

市街化区域と市街化調整区域は、それぞれ異なる目的や特徴、建築のルールがあります。市街化区域は生活利便性や開発が進みやすい一方、市街化調整区域は自然環境の維持や建築の抑制が重視されています。区域ごとに制度や許可の取り方が大きく異なるため、土地選びや計画を進める際は、必ず自治体へ事前相談し目的に合った区域を選ぶことが大切です。正しい知識で理想の住まいを実現しましょう。




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