
不動産売買のプロが解説!売却の税金はどう決まる?売却前に知りたい仕組みと注意点
不動産を売却すると、どうしても気になるのが「税金がいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。実は、同じ売却でも、マイホームか投資用か、所有期間が5年以下か超かといった条件によって、納める税金の金額は大きく変わります。また、譲渡所得税や住民税、印紙税など、名前は聞いたことがあっても「自分にどう関係するのか」が分かりにくいものです。
そこで本記事では、不動産売却に関係する税金の基礎から計算方法、特例の使い方、確定申告、そして2027年から予定されている税制改正の影響までを、東大阪市エリアで売却を検討されている方にも分かりやすく整理して解説します。売却後に「こんなに税金がかかるなんて…」と後悔しないように、ぜひ最後までお読みください。
- 譲渡所得税の税率は、所有期間5年以下で約39.63%、5年超で約20.315%です。
- 3,000万円特別控除・買換え特例・空き家特例は、いずれも2027年12月31日まで利用できます。
- 2027年からは防衛特別所得税が新設されますが、合計の付加税率は2037年まで変わりません。
不動産売却で必ず関係する税金の基礎
不動産を売却すると、多くの場合「譲渡所得」に対して所得税・住民税・復興特別所得税が課税されます。これらは給与所得と切り離して計算される「分離課税」で、売却による利益部分にのみ課税される点が特徴です。また、売買契約書には契約金額に応じた印紙税が必要です。
- 「売却価格」と「譲渡所得(売却益)」は別の概念で、利益が出なければ課税されない
- 赤字(譲渡損失)の場合は譲渡所得税・住民税は課税されない
- マイホーム・投資用・空き家など、不動産の用途によって使える特例が変わる
詳しく解説していきます!
不動産を売却すると、多くの場合「譲渡所得」に対して所得税と住民税が課税されます。給与所得などとは切り離して計算される「分離課税」の対象であり、売却による利益部分にのみ税金がかかります。売買契約書には契約金額に応じた印紙税も必要で、収入印紙を貼付することで納税します。
「売却価格」と「譲渡所得(売却益)」は全く別の概念です。譲渡所得は、おおまかに言うと売却価格から購入時の費用や売却のためにかかった費用などを差し引いた利益部分を指すため、売却価格が高くても取得費や譲渡費用が大きければ利益が出ず、結果として税金がかからない場合もあります。赤字となった場合には譲渡所得税や住民税は課税されないため、自分のケースで利益が出ているかを正しく把握することが重要です。
不動産の用途によって税金の考え方や利用できる制度は大きく変わります。自ら居住していたマイホームの売却では条件を満たせば特別控除などの優遇措置が認められますが、賃貸アパートなど投資用不動産の売却では適用できる特例が限定されます。空き家の売却や相続した自宅の売却など、事情に応じた特例が設けられている場合もあるため、自分の不動産がどの区分に当てはまるかを整理しておくことが大切です。
| 税金の種類 | 主な対象 | 負担のタイミング |
|---|---|---|
| 所得税・住民税・復興特別所得税 | 譲渡所得(売却益) | 売却翌年の確定申告後 |
| 印紙税 | 不動産売買契約書 | 契約書作成時 |
| 固定資産税等 | 所有する土地建物 | 引渡しまでの保有期間 |
譲渡所得税・住民税の計算方法と所有期間
譲渡所得税・住民税は、所有期間5年以下の短期譲渡で合計約39.63%、5年超の長期譲渡で合計約20.315%の税率が適用されます。さらに2027年からは、防衛力強化の財源として新設される「防衛特別所得税」と、税率が引き下げられる「復興特別所得税」が併存する仕組みに変わります。
- 譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用(特別控除がある場合はさらに控除)
- 所有期間は売却した年の1月1日時点で判定し、5年以下は短期、5年超は長期
- 2027年1月から防衛特別所得税(1%)が新設され、復興特別所得税は2.1%→1.1%に引き下げ
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譲渡所得税・住民税は、まず「いくらもうかったのか」を正しく計算することから始まります。売却代金から「取得費」と「譲渡費用」、必要に応じて特別控除額を差し引いて譲渡所得を求めます。取得費には購入代金や購入時の仲介手数料、登記費用、設備の改良費などが含まれ、譲渡費用には仲介手数料、測量費、印紙代、立退料、解体費用などが含まれます。取得費が分からない場合は、譲渡価額の5%を概算取得費として用いることができます。
不動産の所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで区分され、5年以下は短期譲渡所得、5年超は長期譲渡所得として扱われます。短期譲渡所得の税率は所得税30%・住民税9%に復興特別所得税を加えた合計約39.63%、長期譲渡所得の税率は所得税15%・住民税5%に復興特別所得税を加えた合計約20.315%が適用されます。所有期間がわずかに5年を超えるかどうかで税負担が約2倍変わるため、売却時期の判断材料として重要な指標です。
2025年度・2026年度税制改正の議論を経て、2027年(令和9年)1月から「防衛特別所得税(仮称)」が新設され、基準所得税額に1%が上乗せされます。これと同時に、現行2.1%の復興特別所得税は1.1%に引き下げられ、両者を合わせた付加税率は2.1%のまま2037年(令和19年)まで据え置かれる見込みです。ただし、復興特別所得税自体の課税期間は2037年末から2047年末(令和29年)まで延長されるため、短期的な税負担は変わらなくても、長期的には課税期間が延びる点に注意が必要です。不動産の譲渡所得税を計算する際も、2027年1月以降に生じる所得からはこの新しい税率構成が適用されます。
| 項目 | 内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 譲渡所得の計算 | 譲渡価額-取得費-譲渡費用 | 取得費・費用の証拠書類 |
| 所有期間の区分 | 5年以下は短期、5年超は長期 | 売却年1月1日時点の期間 |
| 適用税率 | 短期約39.63%、長期約20.315% | 所得税・住民税・復興税の合計 |
| 2027年以降の変更 | 防衛特別所得税1%が新設 | 復興特別所得税は1.1%に引下げ |
マイホーム売却に使える主な税金の特例
マイホーム売却では、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」、所有期間10年超で税率が下がる「軽減税率の特例」、譲渡益への課税を将来に繰り延べる「買換え特例」の3つが代表的な制度です。買換え特例は令和8年度税制改正により、適用期限が2027年(令和9年)12月31日まで延長されています。
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例は併用可能
- 買換え特例は3,000万円特別控除・軽減税率の特例と併用不可(選択適用)
- 買換え特例の適用期限は2027年12月31日まで(令和8年度税制改正で2年延長)
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3,000万円特別控除は、マイホームを売却した際の譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。現に居住している住宅だけでなく、住まなくなってから3年以内に売却した場合も対象になります。所有期間や居住期間の長さは要件になっていない一方、3年に1回しか利用できず、親族など特別な関係にある人への売却では適用できません。
軽減税率の特例は、売却する年の1月1日時点で土地と建物の所有期間がともに10年を超えている場合に、長期譲渡所得の税率がさらに軽減される制度です。3,000万円特別控除とは併用が認められているため、多くの方が両方を組み合わせて税負担を抑えています。
買換え特例(特定の居住用財産の買換えの特例)は、マイホームを売却して新しい住まいに買い換える際、譲渡益への課税を将来に繰り延べる制度です。所有期間・居住期間がともに10年超、売却代金1億円以下などの要件があり、3,000万円特別控除や軽減税率の特例とは併用できません。この特例は時限措置で、以前は2025年12月31日が期限でしたが、令和8年度税制改正により2027年(令和9年)12月31日まで2年間延長されています。税金の免除ではなく「繰り延べ」である点にも注意が必要です。
| 特例の名称 | 主な内容 | 適用期限・併用の可否 |
|---|---|---|
| 3,000万円特別控除 | 譲渡所得から最大3,000万円控除 | 期限なし/軽減税率とは併用可 |
| 軽減税率の特例 | 所有期間10年超で税率軽減 | 期限なし/買換え特例とは併用不可 |
| 居住用財産の買換え特例 | 譲渡益の課税を将来に繰延べ | 2027年12月31日まで/3,000万円控除等と選択適用 |
相続した空き家を売却する場合の特例
相続した実家が空き家になっている場合、耐震基準に適合させるか取壊した後に売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家の3,000万円特別控除」が利用できます。この特例も買換え特例と同様、適用期限は2027年(令和9年)12月31日までとなっています。
- 被相続人が相続直前まで居住し、昭和56年5月31日以前に建築された家屋が対象
- 耐震基準に適合させるか、取壊してから売却することが条件
- 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が必要
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空き家の3,000万円特別控除は、被相続人が相続開始の直前まで一人で住んでいた家屋(一定の要件を満たせば老人ホーム等に入所していた場合も対象)を相続した相続人が、その家屋または敷地を売却した場合に適用されます。昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物登記がされていないことなどが条件です。
この特例を使うには、家屋を譲渡する場合は現行の耐震基準に適合させること、または家屋を取り壊してから土地を譲渡することが必要です。譲渡価額が1億円以下であること、相続時から譲渡時まで事業・貸付・居住の用に供されていないことも要件になります。市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を確定申告書に添付する必要があるため、早めに家屋所在地の自治体へ相談しておくとスムーズです。
空き家の3,000万円特別控除は、相続の開始があった日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、特例の適用期限である2027年(令和9年)12月31日までに譲渡することが必要です。相続した空き家を放置していると、この期限内に売却の判断が間に合わなくなるおそれがあるため、早い段階での査定や売却スケジュールの検討をおすすめします。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 控除額 | 譲渡所得から最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円) |
| 対象家屋 | 昭和56年5月31日以前に建築された被相続人居住用家屋 |
| 適用期限 | 2027年(令和9年)12月31日までの譲渡 |
確定申告と納税スケジュールの基本と注意点
不動産を売却して譲渡所得がプラスになった場合、原則として翌年2月中旬から3月中旬までに確定申告と納税が必要です。譲渡損が生じている場合は申告義務がないケースもありますが、特例の適用を受けるには利益の有無にかかわらず確定申告が必須です。
- 確定申告の要否は「売却したかどうか」ではなく「利益が出たかどうか」で決まる
- 納付方法は窓口納付・口座振替(振替納税)・電子納税から選べる
- 3,000万円特別控除などの特例は確定申告をしなければ適用を受けられない
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不動産を売却した場合、譲渡所得がプラスになれば原則として確定申告が必要ですが、譲渡損が生じている場合などは申告義務がないケースもあります。給与所得のみで年末調整が済んでいる方でも、不動産売却による譲渡所得があれば別途申告が必要です。「売却したかどうか」ではなく「利益が出たかどうか」で確定申告の要否が分かれる点を押さえておきましょう。
不動産の譲渡所得がある場合、通常は翌年の2月中旬から3月中旬までの間に確定申告書を提出し、同じ期限までに所得税および復興特別所得税を納付します。納付方法は金融機関や税務署窓口での現金納付のほか、口座振替による振替納税や電子納税も選択できます。納付が期限に遅れると延滞税がかかるため、納税資金の準備も早めに行うことが重要です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、不動産の売却代金や取得費、譲渡費用などを入力しておおよその税額を試算できます。3,000万円特別控除などの特例は確定申告をしなければ適用を受けられないため、適用条件を満たすかを早めに確認し、必要書類を準備したうえで税務署や専門家に相談すると安心です。売却金額が大きい場合はわずかな計算違いでも税額が大きく変わるため、複数回のシミュレーションと事前相談を組み合わせて進めることをおすすめします。
| 項目 | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 確定申告が必要な場合 | 譲渡所得がプラスのとき | 利益の有無で判断 |
| 申告と納付の期限 | 翌年3月中旬まで | 遅延で延滞税発生 |
| 納付方法の種類 | 窓口納付や口座振替、電子納税 | 資金残高の事前確認 |
| 事前シミュレーション | 税額や特例の確認 | 必要書類を早期準備 |
まとめ
- 不動産売却では譲渡所得税・住民税・印紙税など複数の税金が関係し、利益に対してのみ課税される
- 所有期間5年超・5年以下で税率が約2倍変わる(長期20.315%/短期39.63%)
- 3,000万円特別控除・買換え特例・空き家特例は、いずれも2027年12月31日まで利用可能
- 2027年からは防衛特別所得税が新設されるが、短期的な負担は変わらない
不動産売却では、譲渡所得税や住民税、印紙税など複数の税金が関係し、売却価格そのものではなく利益に課税されます。マイホームか投資用か、相続した空き家か、所有期間が5年以下か超かによって税率や使える特例も変わります。3,000万円特別控除や買換え特例、空き家の特例を上手に活用するには、条件の確認と早めの準備が欠かせません。東大阪市エリアの売却査定を含め、確定申告や納税時期を見据えたシミュレーションから、疑問点は専門家に相談しながら計画的に進めましょう。


![[石田 唯]](https://cdn.img-asp.jp/staff/329462_1_100_0_3.jpg)