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次世代住宅って?~モジュール住宅編~

お役立ち情報


1. モジュール住宅とは

工場であらかじめ製造したモジュール(部屋の単位)を現場で組み立てる住宅のことです。
従来の住宅のように現場で一から建設するのではなく、工場で精密に作られたユニットを組み合わせることで、短期間で高品質な住宅を建設できます。

①短期間で建築できる(工期が短い)
従来の住宅:4~6ヶ月 → モジュール住宅:1~3ヶ月で完成!
工場で約80~90%の作業を完了させてから現場に搬入するため、施工期間が短縮できる。
天候の影響を受けにくく、スケジュール通りに建築可能。

②高品質で安定した住宅
工場生産だから、品質のバラつきが少ない!
精密な機械加工による生産のため、現場での手作業に比べて施工ミスが少なく、品質が安定する。
断熱性・気密性が高いため、快適な室内環境を維持しやすい。

③コスト削減が可能
材料の無駄を削減&工場生産の効率化でコストダウン!
工場で大量生産することで、材料のロスを減らし、効率よくコストを抑えられる。
現場での作業時間が短いため、人件費を削減できる。
長期的に見てもメンテナンスコストが抑えられる。

④高い耐震性・耐久性
輸送に耐える強固な構造!
モジュール自体が頑丈な箱型構造のため、地震に強い。
現場でしっかりと接合されるため、一般的な住宅と同等か、それ以上の耐震性を確保できる。
シーリング(防水処理を適切に行うことで、長期間にわたり耐久性を維持。

⑤増築や間取り変更が容易
家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応!
モジュール単位で追加・変更が可能なので、将来的に増築・リフォームがしやすい。
例えば…
子どもが生まれたら部屋を追加
老後にバリアフリー仕様に変更
二世帯住宅に拡張 などが容易にできる。

⑥環境にやさしい(エコフレンドリー)
省エネ&廃材削減で環境負荷を軽減!
工場生産なので建設廃材が少なく、環境への負担を減らせる。
高気密・高断熱の構造により、冷暖房のエネルギー消費を抑え、光熱費を削減できる。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)やスマートハウスとの相性も◎!

⑦デザインの選択肢が豊富
シンプルなデザインから、カスタマイズ住宅まで幅広く対応!
モジュールの組み合わせによって、さまざまなデザインが可能。
一般的な注文住宅ほど自由度は高くないが、メーカーによってはカスタマイズ性の高いものもある。

<モジュール住宅の建築スケジュール>


① 設計・プランニング

(要望のヒアリング・設計)
住む人のライフスタイルや希望に合わせた設計を行う。
モジュール住宅は規格化されたユニットを組み合わせるため、設計の自由度はメーカーによって異なる。
標準モジュールの組み合わせ or カスタマイズ設計を選択。
(間取り・モジュール配置の決定)
どのモジュールをどのように配置するかを決定。
例:リビング+ダイニング+キッチン(LDK)ユニット、寝室ユニット、浴室ユニット などを組み合わせる。

②工場でモジュール(ユニット)を製造
(主要構造の組み立て)
床・壁・天井を一体化したモジュール(ユニット)を工場で製造。
断熱材・窓・ドア・配線・配管も工場で設置し、ほぼ完成した状態で出荷。
天候の影響を受けないため、精度が高く、品質のばらつきが少ない。
(設備・内装の組み込み)
キッチン・浴室・トイレなどの設備をユニットごとに組み込み、工場内で配線・配管を整える。
床材・壁紙・照明・コンセントなども工場で設置可能。

③現場での基礎工事
基礎の施工
モジュール住宅は、鉄骨フレーム or 木造フレームで作られるため、それに適した基礎工事を行う。
布基礎 or ベタ基礎(一般的な住宅と同じ)が使われる。

④モジュールの搬入・組み立て
(クレーンでモジュールを設置)
トラックで運搬し、大型クレーンを使って配置。
すでに工場で作られたユニットを積み木のように組み合わせる。
1日~数日で主要な組み立てが完了する。
(ユニット同士の接続)
モジュール同士を強固に接合し、気密性・耐震性を確保。
電気・ガス・水道の接続を行う。

⑤仕上げ工事(内装・外装)
(外装仕上げ)
外壁の接続部分を仕上げ、シーリング処理(防水処理)を施す。
必要に応じて、外壁材の追加工事を行う。
(内装の仕上げ)
壁紙・床材・設備の最終調整を実施。
家具・家電の設置や、最終点検を行う。

⑥引き渡し・入居
最終検査・施主確認後、引き渡し。
一般的な住宅が4~6ヶ月かかるのに対し、モジュール住宅は1〜3ヶ月で完成。

<価格帯>
坪単価別
●ローコストハウスメーカー:坪単価 40万円程度
30坪の住宅:約1,200万円
35坪の住宅:約1,400万円
●中堅ハウスメーカー:坪単価 60万円程度
30坪の住宅:約1,800万円
35坪の住宅:約2,100万円
●大手人気ハウスメーカー:坪単価 80万円程度
30坪の住宅:約2,400万円
35坪の住宅:約2,800万程度
モジュール住宅の価格帯は、選択するハウスメーカーや仕様、延床面積によって大きく異なります。具体的な価格を把握するためには、複数の施工会社から見積もりを取得し、比較検討するのがおススメです!





2. モジュール住宅の種類


①プレハブ型モジュール住宅
工場で生産されたユニット(モジュール)を現地で組み立てる形式の住宅です。
ユニットは、外壁、内壁、天井、床、設備などをすべて組み込んだ状態で作られ、現場で簡単に接続・組み立てができるようになっています。
工場での生産が進んでいるため、高品質かつ迅速な施工が可能。
設計や外装は規格化されており、一定のデザインに基づくが、内部の間取りやデザインにはカスタマイズが可能。
耐震性や断熱性が高い。
初期費用は安価で、ランニングコストも低く抑えられることが多い。
用途:一戸建て住宅、別荘、事務所など。


 



②コンテナ型モジュール住宅
海上輸送用コンテナを基本にした住宅で、リサイクルや再利用が可能
主に既存のコンテナを改装して住居にする形です。
リサイクル可能な素材を使用しているため、エコ意識が高い。
コンテナをそのまま活用して作られるため、耐久性と安全性が高い。
非常に短期間で組み立てることができ、低コストで提供されることが多い。
狭い土地でも利用できるため、都市部や狭小住宅に適している。
用途:アパートメントや一人暮らしの住宅、オフィス、非常用の住宅。


 


③ モジュラー・プレスト住宅
この種類の住宅は、プレハブ住宅とモジュール式を組み合わせたスタイルで、特にモジュールの間取りや設計を自由に選べます。
高品質でカスタマイズ性が高い。
省エネルギー設計やエコ素材を活用した住宅が多い。
多機能のユニットを組み合わせることで、生活スタイルに合わせた住空間を提供。
様々な外装や内装のオプションがあり、ユーザーの好みに合わせて調整可能。
用途:一戸建て、事務所、学生寮やゲストハウスなど。



④ パネル式モジュール住宅
主に壁や天井などのパネルを組み合わせる形で作られる住宅です。パネルは工場で製作され、現場で組み立てていきます。
簡易な施工が可能で、建設コストが抑えられる。
断熱性や遮音性が高く、快適な生活環境を提供。
外装や内装のデザインが比較的自由にでき、高いデザイン性が求められる場合に適しています。
用途:都市型住宅や、小規模住宅、別荘など

 
⑤トレーラーハウス(移動型モジュール住宅)
車輪を備えたフレームに住宅ユニットを載せて運ぶことができ、移動可能な家として広く認識されています。
移動可能であり、別荘やアウトドア住宅、ホテルとして利用されることが多い。
構造がしっかりしているため、耐久性と安定性に優れている。
移動可能なので、土地を購入せずに手軽に家を持つことができる。
用途:ホテル、別荘、セカンドハウスなど


引用元:LUKURA



⑥エコモジュール住宅
環境への配慮が強化されたモジュール住宅です。再生可能エネルギーや省エネ機能を積極的に取り入れており、持続可能な建築を目指しています。
太陽光発電システムや雨水利用システム、断熱材に高い性能を持つ材料を使用。
エネルギー効率が良く、長期的にランニングコストが抑えられる。
自然素材を多く使用し、環境への負荷を減らすことができる。
用途:環境に配慮した住宅を求める家庭やオフィス、エコ意識の高い利用者に向け

⑦カスタムメイドモジュール住宅
ユーザーの要求に応じて設計されたユニットを基にして、個別にカスタマイズされた住宅です。特に自由な間取りやデザインを可能にし、ユーザーのニーズに完全に合わせた住宅です。
完全なカスタマイズ設計が可能。
ユーザーのライフスタイルや好みに合わせた間取り変更や設備の追加が可能。
高級感やデザイン性が高く、自由な選択肢が豊富。
用途:高級住宅やオーダーメイド住宅を希望する家庭や企業向け





3. メリット&デメリット


≪メリット≫
①短期間での完成
モジュール住宅は、工場でユニットを生産してから現場で組み立てるため、工期が短縮されます。
通常の住宅は4~6ヶ月かかるのに対し、モジュール住宅は1~3ヶ月で完成する場合が多く、引っ越しまでの時間を短縮できます。

②高い品質・精度
モジュール住宅は、工場で製造されるため、作業環境が安定しており、高い品質管理が可能です。
規格化されたユニットが使われるため、建物の各部位が精密に作られ、施工ミスや品質のばらつきが少ないです。

③コスト削減
工場で一括生産するため、材料費や作業時間の削減が可能です。これにより、建築コストを抑えることができるため、全体の予算を抑えたい方にとって大きな魅力です。
また、施工期間の短縮により、人件費の削減にもつながります。

④耐震性・耐久性に優れている
ユニット(部屋単位)ごとに強固な構造が組み立てられ、耐震性が高いとされています。
接合部分には強化金具やボルトが使われており、地震の揺れを分散し、耐震等級2以上の住宅が多いです。

⑤ デザインの自由度
規格化されたユニットを組み合わせて作りますが、カスタマイズや追加ユニットの選択も可能です。
基本的な間取りは決まっていますが、間取りの変更や、外装・内装のデザインに柔軟に対応できる場合が多いです。

⑥環境に優しい
工場で生産されるため、材料のロスが少なく、建設廃材が減少します。
高い断熱性や気密性を持つため、冷暖房の効率が良く、光熱費の削減が可能です。エコな設計により、環境負荷を減らすことができます。

⑦将来的な増築やリフォームが容易
ユニット単位で構成されているため、将来的に増築や間取り変更がしやすいです。
家族構成やライフスタイルの変化に応じて、新たなユニットを追加したり、間取りを変更することが容易にできます。

⑧施工ミスが少ない
工場で生産するため、施工ミスや不具合が起きにくいという特徴があります。現場での作業が少ないため、品質管理がしやすく、建物の精度が高く保たれます。

⑨高い安全性

工場でほとんどの作業が完了しているため、現場作業が減少し、現場での作業員の負担が軽減されます。その結果、事故や怪我のリスクも少ないです。

⑩ 防音性
ユニット同士の接合部分に防音対策が施されていることが多いです。
隣室の音漏れや外部の音の侵入を抑えるための防音構造が強化されており、快適な住環境を提供します。


≪デメリット≫

①デザインの自由度が限られる
規格化されたユニット(部屋単位)を組み合わせるため、デザインの自由度がある程度制限されます。
完全オーダーメイドの注文住宅ほど、内装や外装の細かなカスタマイズが難しい場合があります。
一般的な住宅よりは個性的なデザインを求める人にとっては、物足りないと感じるかもしれません。

②土地の制約
ユニット単位で組み立てるため、敷地のサイズや形に制約が出ることがあります。
特に、狭い土地や斜面の多い土地や不整形な土地では、ユニットをうまく配置することが難しくなる場合があります。
大型のクレーンを使用してユニットを運搬・設置する必要があるため、敷地が狭い場所では運搬や施工が難しいこともあります。
適切な土地条件が求められるため、希望する土地に建てられない場合もあります。

 

③価格が高くなる場合がある
工場で製造されたユニットを現場に運搬し組み立てる必要があるため、輸送費や設置費用が発生します。 工場から遠い場所に建てる場合や、敷地がアクセスしにくい場合は、追加の運搬費が高くなることがあります。 また、基礎工事や土地の整備が必要になる場合もあり、総額が予想より高くなる可能性があります。

④リセールバリュー(再販価値)の低さ
一般的な注文住宅よりも特殊な建物として扱われるため、将来の転売時に価格が下がる可能性があります。
特に、住宅市場においてモジュール住宅がまだ一般的ではない地域では、買い手の選択肢が限られることがあり、リセールバリューが低いと感じることもあります。

⑤生活の違和感や「仮住まい感」
工場生産されたユニットを組み合わせて作るため、一部の住人にとっては「工場生産感」や「仮住まい感」が残ることがあります。住宅の内装や外装が標準的な仕様であるため、より個性的で特別感のある家を求める人には不向きかもしれません。

⑥稼働設備や収納スペースが制限されることがある
収納や稼働設備(例えばシステムキッチンやバスルームなど)の選択肢が限られていることがあります。

スペースが狭い場合や収納が少ない場合、生活に不便を感じる可能性があります。
この問題を解決するには、追加の収納ユニットや改装が必要になる場合もあります。

⑦高度なカスタマイズには追加費用がかかる
基本的な設計は規格化されていますが、カスタマイズや変更を行う場合は追加費用が発生することがあります。
外装の変更や内装のアップグレード、特殊な設備を希望する場合には、追加のコストがかかります。
そのため、基本的な価格が安いと感じても、希望する仕様によっては最終的に高額になることがある点に注意が必要です。

⑧現場での作業はゼロではない
工場でほとんどの作業が行われますが、現場での組み立て作業が必要であり、これには一定の工期と人手がかかります。
工場生産が進んでも、現場でのユニットの接続や仕上げ作業があるため、完全に工場で生産される製品とは言えません。

⑨地元工務店との連携の難しさ
工場で製造されたユニットを使用するため、地元の工務店との連携が難しい場合があります。
特に、地域ごとの特性を重視した施工を希望する場合、地元の職人との協力が難しく、工場とのやり取りが主となるため、地元に密着した住宅を希望する場合には少し不便を感じるかもしれません。





4. 将来の展望


①環境配慮と持続可能性の促進
技術革新、環境意識の高まり、住宅市場の変化に伴い、今後さらに注目される分野となることが予測されています。
近年、環境問題への意識が高まる中で、モジュール住宅は持続可能な住宅の選択肢として注目されています。

②スマートハウス技術の統合
スマート技術やIoT技術と簡単に統合することができるため、今後、より高度なスマートホームとして進化する可能性があります。
スマート家電やセンサー技術を活用して、エネルギー管理や快適な生活空間を提供することができます。(例:照明の自動調整、温度管理、セキュリティの強化)
居住者の生活スタイルや健康状態を監視し、生活に適した環境を提供するシステム(例:健康管理システム、環境センサー)を組み込んだモジュール住宅が普及する可能性があります。

③都市部での活用と狭小地対応
都市部の住宅需要は増加しており、狭小地や都市部の限られた土地に対応するため、モジュール住宅の普及が進むと予測されます。
特に高さを持つ多層構造や、垂直に積み重ねる設計が可能となれば、都市部でもモジュール住宅の活用範囲が広がります。
小規模な住宅(例えば、一人暮らし向けやシェアハウス)を提供するモジュール住宅は、都市の若者層やシングルファミリー層にとって理想的な選択肢です。簡単に組み立て、移動ができる点も大きな魅力となります。

④コスト削減と価格競争力
製造コストが抑えられ、効率的に建設できるというのは、消費者にとって大きな魅力となり、さらに普及を後押しする要因となるでしょう。

伝統的な住宅建設方法に比べ、工場での生産やユニット組み立ての効率化により、建設期間が短縮されるため、労働力を削減でき、最終的に住宅の販売価格が低く抑えられることも期待されます。
価格競争力があり低価格で提供ができ、低所得層や若年層向けの住宅市場で重要な役割を果たすと予測されます。

経済的な利点が大きいため、将来的に住宅市場での普及が進むでしょう。

⑤モジュール住宅の普及と規制の緩和
普及には、建築基準法や規制の見直しが必要とされています。規制の緩和や基準の柔軟化が進めば、市場拡大が加速すると考えられます。

都市部での土地不足や住宅需要が増す中で、規制を緩和することで、普及が進むと予想されます。例えば、建物の高さや設置場所に関する規制の見直しが行われると、モジュール住宅がより多くの場所で建設されるようになるでしょう。
日本では特に、耐震性や安全性が重要視されます。耐震基準をクリアしたモジュール住宅が増えることで、より広範な普及が期待されます。

⑥災害復興や緊急住宅としての活用
災害時や緊急住宅として非常に有用です。今後、自然災害や人道的な支援の需要に応じて、迅速に設置できるため、復興や避難所として活用される場面が増えると考えられます。
地震や台風、洪水などの自然災害後に、迅速に建設できる仮設住宅としての需要が高まります。迅速に組み立てられるため、復興の重要なインフラとしての役割を担うことができます。






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