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建物構造のご紹介

お役立ち情報

戸建て、マンション、アパートなど建物には建物構造というものが存在します。家を買うとき、借りるときどの物件情報にも記載されていてどんな違いがあってどの構造がいいのだろう?と思ったことはないでしょうか。災害に強く安全、快適に過ごせるのか検討する際に建物構造は重要な要素になるでしょう。今回は建物構造の主要な4種類の特徴をご紹介いたします。

1.鉄骨造(S造)

鉄骨造には重量と軽量の2種類がございます。





重量鉄骨造の特徴
鋼材の厚みが6mm以上のもので、建物の階数など規模によって使い分けられています。簡単な見分け方(あくまで鉄骨造の場合)としては、3階建て以上のマンションやビルは重量鉄骨が使われていることが多いです。


<メリット>
①強度が高い
厚い鉄骨を使用するため、耐荷重性能が優れており、大空間の設計が可能です。

②耐震性に優れている
重量があるため揺れにくく、地震に強い構造となっています。

③耐久性が高い
厚みのある鉄骨は錆びにくく、長期間の使用に適しています。

④施工期間が短い
工場で製作した鉄骨を組み立てるため、工期を短縮できます。

~主な用途~
高層ビル、オフィスビル、商業施設、マンション、工場、倉庫

<デメリット>
①建築コストが高くなる
②軽量鉄骨造に比べて基礎工事が大掛かり
③工場での加工が必要なため設計の自由度が若干低くなる場合もある

軽量鉄骨造の特徴
薄い鋼材(厚さ6mm未満の鉄骨)を使用したもので、主に住宅や小規模な建築物で採用され、木造よりも耐久性が高く、重量鉄骨造よりもコストを抑えられます。
プレハブ住宅(鉄骨系)では、軽量鉄骨が多く採用されています(近年は重量鉄骨も増えています)。工場で柱や外壁パネルなどの建築部材を大量生産することで、比較的低コストで、安定した品質と短工期での注文住宅建築を実現したものです。

<メリット>
①耐震性が高い
軽量で揺れに強く、木造よりも耐震性に優れています。

②施工が比較的簡単
工場で精密に加工した部材を使うため、品質が安定しやすいです。

③シロアリ被害が少ない
木材を使う部分が少ないため、害虫による被害を受けにくいため対策もそこまで行う必要がありません。

④間取りの自由度が高い
木造に比べて柱や壁を少なくできるため、広い空間を確保しやすいです。

<デメリット>

①断熱性・防音性が低め
鉄は熱を伝えやすく、また振動を伝えやすいため、適切な断熱・防音対策が必要です。

②リフォームの自由度が低い
構造上の制約があるため、間取り変更が難しい場合があります。

③サビのリスクがある
防錆処理がされていますが、長期間湿気の多い環境にあると劣化する可能性があり注意が必要です。

~主な用途~
戸建て住宅(特にハウスメーカーが採用)、アパート・マンション(低層建築が多い)、小規模店舗・倉庫、プレハブ建築(仮設住宅や事務所など)





2. 鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋(鋼材)とコンクリートを組み合わせた建築構造のことです。
鉄筋が引張力を、コンクリートが圧縮力を受け持つことで、強度と耐久性に優れた構造です。
鉄筋コンクリート造(RC造)は、熱やサビ、圧縮力に弱いものの引っ張る力には強い「鉄筋」と 引っ張る力には弱いものの圧縮力、熱、サビに強い「コンクリート」の2つを組み合わせたものです。
コンクリートが鉄筋を覆うことで、鉄筋を火やサビから守り、地震の揺れによる引っ張る力には鉄筋が対抗しています。
互いの弱点を補い合うことで高い強度を実現しています。







RC造には、「ラーメン構造」と「壁式構造(パネル式構造)」という2種類の構造があります。
鉄筋コンクリート造をどのように組んで建物に強度を持たせるかという点で違いがあります。

ラーメン構造とは?

柱と梁を一体化した骨組みで構成された構造です。
原則として柱と梁で強度を確保するため、ブレース(筋交い)や耐力壁を必要とせず、窓や扉、シャッターなどの大開口や、広々とした大<広間、大きな吹き抜けをつくることができます。

壁式構造(パネル式構造)とは?
壁や床などの面によって建物全体を支える構造です。ラーメン構造よりも頑丈で、より耐震性に優れています。
柱や梁が出っ張らないため室内がすっきりとして、デッドスペースができにくく、インテリアや家具配置の自由度が高いです。
一方、開口部の位置や大きさ、数の変更に制限があり、ラーメン構造に比べると制限があります。





    

<メリット>
①耐震性・耐久性が高い
鉄筋とコンクリートの組み合わせにより、地震や火災に強いです。

②遮音性・断熱性が優れる
コンクリートの厚みが音や熱を通しにくく、快適な室内環境を保つことができます。

③耐火性が高い
コンクリートは燃えないため、火災時の延焼リスクが低いです。

④自由なデザインが可能
壁式構造・ラーメン構造など、用途に応じた設計ができます。

<デメリット>
①コストが高い
施工費用・材料費が高く、建築コストが木造や軽量鉄骨造よりも高額になりやすいです。

②工期が長い
コンクリートの養生期間が必要なため、完成までに時間がかかります。

③重量が重い
建物自体が重く、地盤改良が必要なケースも出てきます。

④リフォームが難しい
壁や柱が構造の一部となるため、間取り変更がしにくいです。

⑤定期的なメンテナンスが必要
鉄筋部分はコンクリートに覆われ守られているが、ひび割れができるとそこから雨水が入り込み、サビて劣化し、耐震性や耐久性が低下するためメンテナンスが必要です。

~主な用途~
マンション・アパート(中高層建築)、オフィスビル・商業施設、学校・病院・公共施設、高耐久な住宅(高級住宅など)






3.鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨(S)+鉄筋(R)+コンクリート(C)を組み合わせた建築構造です。
鉄骨造(S造)の強度と鉄筋コンクリート造(RC造)の耐久性を兼ね備えており、高層建築や耐震性が求められる建物に多く採用されます。





   

<メリット>
①耐震性が非常に高い
鉄骨の粘り強さと鉄筋コンクリートの剛性を組み合わせ、地震に強い構造となっています。

②耐火性・耐久性に優れる
コンクリートが鉄骨を覆うため、火災時の耐火性能が高く、経年劣化しにくいです。

③高層建築に適している
鉄骨の強度を活かしながら、RC造よりも高層の建物を建設することができます。

④遮音性・断熱性が高い
コンクリートの厚みがあるため、音や熱を通しにくく快適な居住空間を作ることができます。

⑤広い空間を作れる
RC造以上に強度があるため柱と柱の間隔を広くでき、より広い無柱空間をつくることが可能です。
鉄骨を入れている分、柱や梁を鉄筋コンクリート造よりも細くできます。

<デメリット>
①コストが高い
鉄骨とコンクリートの両方を使用するため、材料費・施工費が多くかかってきます。

②工期が長い
コンクリートの養生期間が必要で、鉄骨の組み立て工程も複雑なため、施工に時間がかかってしまいます。

③建物が重くなる
RC造よりもさらに重量が増すため、強固な地盤が必要です。
コストや工期などのデメリットもあり、戸建てや中低層のマンションで用いられることはほとんどありません。

~主な用途~
高層マンション・タワーマンション、大型オフィスビル、商業施設・ホテル、病院・学校などの公共施設





4. 木造

構造体に木材を用いる木構造で建てられた住宅のことです。
総務省の調査によると、木造住宅は耐火構造のものを含めて一戸建て住宅の5割ほどのシェアを占めており、最も人気のある構造といえます。
木造住宅が日本で主流となった理由の一つとして、木材の高い吸湿性や通気性が高温多湿な日本の気候に適していることが挙げられます。
また寺社仏閣の建設が盛んになった時代に木造建築の技術が進歩したことも、日本で木造建築が普及した理由だと言われています。
木構造にはさまざまな種類がありますが、住宅では木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)が主に使われいます。



   

木造軸組工法とは?
柱と梁を組み合わせた軸組を作り、そこに屋根や壁を取り付けていく日本の伝統工法です。
軸組で強度を出し、家の重さを支えるため、壁を設けるうえでの自由度が高く、さまざまな間取りに対応できます。
壁の強度に左右されないことから、窓の場所や大きさも自由に設定しやすくなっています。
日本で古くから取り入れられている工法のため、施工できる業者の数が多くたくさんの候補の中から選ぶことができます。

木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)とは?
2インチ×4インチ断面の角材を主な構造材とすることからこの名称で呼ばれ、建築基準法上は「枠組壁工法」といいます。
フレーム状に組まれた木造の枠組材に構造用合板などの面材を打ち付け、壁と床、屋根などを一体化させるように組み立て外圧を一転集中で受け止めるのではなく、面で分散して強度を出して建物を支えるため耐久性に優れています。
間取りなど設計の自由度は高くないかわりに耐震性は高めやすく、大量生産によって安価で短い工期の建築が可能です。
1974年に日本の住宅工法として導入されて以来、右肩上がりで着工数を増やし続けています。

<メリット>
①建築費用が抑えられる
鉄骨造やRC造でつくられた家よりも施工費用が安価になりやすいです。軽くて丈夫な点も評価され長く使われ続けています。

②設計の自由度が広い
基礎や土台、柱、梁などの構造が建築基準法などの法令を満たしていれば、設計の自由度は高いです。
もともとの構造がシンプルで、カスタマイズの自由度が高いことから、注文住宅で間取りにこだわりたい方に向いています。
自分好みの家づくりにこだわりたい場合は、信頼のおける工務店を探して木造で建てるのがおススメです。

③調湿性・通気性が良い
木は調湿(水分を吸放出すること)性に優れているため、高温多湿な日本の住宅に適しています。

④断熱性に優れている
木材で使用されるスギ・ヒノキ・ブナの断熱性がコンクリートや鉄と比較して高く、断熱性に優れた素材です。
木造住宅の課題となるのは気密性と調湿で、隙間をどのように塞ぐかがより断熱性の高い家づくりの決め手となります。
高精度の建材や断熱材を駆使して、木造でも高い断熱性を実現可能です。

⑤耐火性に優れている
木は一定以上の厚みになると燃えにくい性質を持っており、住宅に使用するような厚みのある木材は、火が燃え移っても表面の炭化にとどまるため熱伝導率が低く温度が上がりにくいことから燃えるのに時間がかかります。
また、木材は800℃の熱にさらされても強度は70%程度を保て、表面が炭化することで内部に熱が伝わりにくくなるため、中の人が避難するまでの20分ほどの時間を確保しやすいと言われています。

⑥調湿性・通気性が良い
木材は日本の気候に合った調湿性を持ち、木造の家は適度な通風性を持っています。
木や土壁は湿度が高い時期は空気中の水分を吸収し、空気が乾燥しているときは水分を放出して乾燥を防ぎ、快適に過ごせる効果があります。

<デメリット>
①耐久性が低い
地震や台風に弱いというイメージがありますが、建築基準法で定める新耐震基準(耐震等級1)の、震度6強から7程度の揺れにも倒壊しないのがスタンダードとなっており、最高レベルの等級3も木造住宅で取得が可能です。
台風による風害も地震の揺れ対策と同じなので筋交いや補強金物の進歩で、台風の多い沖縄県でも木造住宅の普及が進んでいます。
また、木造戸建ての有効な災害対策として「平屋にする」方法があります。1階建ての建物は地震の揺れや風に非常に強いのが特徴です。

②防音性が低い
木造住宅は木材の性質上遮音の性能が低く、音が伝わりやすい欠点があります。楽器に木製が多いのもうなずけるところです。
分譲マンションから木造の一戸建てに引っ越したら、これまで気にならなかった上階の足音が聴こえる、ということも考えられるでしょう。
大通りに近いような立地の場合、壁や床、天井まで遮音を施したり、窓を二重にしたりするなどの対策が可能です。
また、楽器の練習がしたいなどの場合は、専用の防音ブースを作る方法もあります。
ただし一戸建ては集合住宅に比べて、隣接住戸への子どもの足音に対する気遣いなどはかなり緩和され、周囲の音も気になりにくくなります。

③仕上がりが職人によって左右されやすい
木造建築は、加工精度の高めやすいほかの建材に比べて、不安定な要素があります。
木材自体が温度や湿度などの管理状況によって、品質に違いを生じます。また、建築現場で職人が加工や組み立てを行う際に、力量の差によって仕上がりの差が出ることが完全には避けられません。
品質管理や腕の確かさなど、事前にしっかり確認して信頼のおける依頼先を探すことが大切です。

④シロアリなどの害虫による被害を受けやすい
木材はシロアリが好んで餌にするため、その対策が必要です。 本州以南に広く分布するヤマトシロアリが有名ですが、東海地方以南の温暖な地域に生息するイエシロアリは、時には家全体を食い荒らして深刻な被害をもたらすことがあります。
家の基礎全体をコンクリートで覆うベタ基礎で湿気を防ぐほか、防蟻処理された木材の使用や、定期的な薬剤散布などで対策します。薬剤散布の際は乳幼児や妊婦に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

~主な用途~
戸建て、アパート(低層階)




5.まとめ

主な4種類の構造をご紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあり一概にこれがいい!と断言できるものではないのでそれぞれを理解し選ぶことが大切です。また、家の構造だけでなく、工法も慎重に選ぶ必要があります。希望の間取りや土地状況によって適した構造・工法は異なるため、設計の柔軟性にも注目して、最適な組み合わせを検討することをおススメします!







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