木造住宅の耐用年数とは?特有のメリット・デメリットも解説

住宅を建てる際に、多くの方が気にするのが「木造住宅はどのくらい持つのか」という点です。
木造は日本で主流の構造ですが、寿命や価値の維持については誤解されやすい面があります。
本記事では、木造住宅の耐用年数の基本と、知っておきたいメリット・デメリットを解説します。
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木造住宅の耐用年数とは?

木造住宅とは、建物の主要構造(柱や梁など)に木材を用いて建てられた住宅のことです。
複数ある建物構造の一種で、木造のほかには、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などがあります。
建物の耐用年数とは
建物の耐用年数とは、文字どおり、建物が何年にわたって価値や実用性を保つかを示す指標です。
一口に耐用年数といっても、さまざまな捉え方・考え方があり、主に「法定耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」の3種類が挙げられます。
法定耐用年数
一般的に、耐用年数は法定耐用年数のことを指します。
法定耐用年数とは「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって定められた、建物の所有者に公平な課税をおこなうための指標です。
税法上、建物は減価償却資産(時間の経過によって価値が目減りしていく資産)として取り扱われます。
新築時がもっとも価値が高く、経年による建物の劣化にともなって資産価値が減っていき、最終的には0になる仕組みです。
建物の取得にかかった経費は、取得した年に全額計上するのではなく、財産として使用する全期間にわたって分割計上していきます。
しかし、建物を何年にわたって使うかは人それぞれ異なり、取得時点で正確に予測できるものでもないため、一律基準として法定耐用年数が定められているのです。
木造住宅の法定耐用年数は22年と決められていますが、実際に住み続けられる年数は異なるでしょう。
物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、建物の建材の物理的な劣化にともなう耐用年数のことです。
工学的判断に基づき、建物が何年くらい正常に機能するかを示しています。
同一環境下で、同一の材料によって建てられた住宅の物理的耐用年数は、同じになります。
しかし、新築後の気象条件やメンテナンス状況などはそれぞれ異なるため、こちらも万人に当てはまるものではなく、あくまで目安です。
一般的に木造住宅の物理的耐用年数は、おおむね65年ほどとされます。
経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、住宅が市場で売買される価値を保つ期間のことです。
住宅の市場価値は、立地や占有面積、間取り、メンテナンス状況などさまざまな要素によって変動し、なかでも築年数は資産価値に大きな影響を与えます。
特に日本では、より新しいものが好まれやすいため、欧米に比べると住宅の経済的耐用年数が短くなりがちです。
古い空き家の数が年々増えていることを受けて、行政は中古住宅の価値を高め、経済的耐用年数を延ばす取り組みに注力しています。
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木造住宅のメリット

ほかの建物構造と比較したときの、木造住宅ならではのメリットを解説します。
メリット①耐火性に優れている
「木は燃えやすく、火災リスクが高いのでは」と考える方も多いかもしれませんが、実は木造住宅は耐火性に優れています。
耐火性とは、素材が火の熱に耐えて、建物の主要構造が変形したり、崩れたりするのを防ぐ能力のことです。
木造住宅に用いられる木材は、火に晒され続ければいずれ炭化しますが、表面から内部まで燃え進むまでには時間がかかります。
完全に鎮火するまで主要構造はそのまま残って、最後まで家の形を保ち続けるケースもあり、住人が避難する時間を長く稼げるのです。
ただし、木造住宅の耐火性は木材自体の性質だけでなく、防火処理や耐火設計、防火地域での建築規制などによって変わります。
鉄筋コンクリート造などと比べて火災リスクが高くなる場合もあるため注意が必要です。
メリット②断熱性に優れている
木造住宅に用いられるスギやヒノキ、ブナといった木材は、鉄やコンクリートよりも高い断熱性を持っています。
建築において、素材の熱伝導率の低さは、断熱性に直結する要素です。
ただし、木造建築の構造自体は隙間が多くなってしまうため、気密性は高くありません。
木造住宅でも気密性を重視したいなら、木材とは別に、高精度な断熱材を用いるなどの工夫が必要です。
メリット③建築費用を安く抑えられる
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などに比べて、建築費用を安く抑えられます。
建材自体が安価であるうえ、基礎工事も比較的簡単であるため、人件費や土地の改良費用があまりかからないのです。
国土交通省が2020年に発表した『建築着工統計調査』の結果では、一戸建て住宅の構造別の平均坪単価は以下のようになっています。
●木造:57.1万円
●鉄骨造:91.1万円
●鉄筋コンクリート造:95.0万円
鉄骨造と鉄筋コンクリート造に比べ、木造のほうがはるかに安いことがわかります。
木造を選べば、基本的な建築費用を抑えつつ設備などにかける費用を増やし、理想のマイホームを追求しやすくなるでしょう。
メリット④デザインの自由度が高い
木造住宅の構造は基本的にシンプルで、基礎・土台・柱・梁で構成される構造体が法定基準を満たしてさえいれば、ほかの部分は自由に設計できます。
珍しい間取りの家も作りやすく、デザインの自由度の高さが魅力です。
将来のリフォーム時にも大きな間取り変更がしやすく、新しい家に生まれ変わったかのような大幅刷新を目指せます。
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木造住宅のデメリット

木造住宅には、特有のデメリットも多くあります。
メリット・デメリットの両面を踏まえて、木造住宅が自分に合っているかどうかを考えましょう。
デメリット①防音性が低い
木造住宅では、どうしても構造上の隙間が生じるため、防音性が低くなってしまいます。
自分の生活音が周囲に響きやすいのはもちろん、外で発された音も内部に届きやすいです。
大きな通りに面した土地に木造住宅を建てると、時間を問わず騒音が気になってしまうかもしれません。
木造住宅にもある程度の防音性を求めたいなら、構造体を二重構造にするなどの工夫が必要です。
デメリット②虫害を受けやすい
シロアリの被害に遭いやすいことは、木造住宅のデメリットの1つです。
シロアリは、建物の構造体に使われている木材を食べ、内部から住宅を劣化させてしまいます。
そのため、木造住宅において、侵入経路になりやすい床下にのみコンクリートを敷き詰める「ベタ基礎」の手法を取り入れるケースが増えています。
基礎のほかにも、素材自体に坊蟻処理がされている木材を採用したり、定期的に防蟻薬剤を散布したりといった工夫をするとなお良いです。
デメリット③作り手によって品質に差が出やすい
木造住宅(特に一戸建て)は、ほかの建物構造に比べて品質のばらつきが出やすいです。
木材の品質がメーカーの保管状態に左右されたり、職人が手作業で木材を加工する場面があったりすることが主な理由です。
職人の腕前が建物の品質に影響するため、慎重に話し合いを重ね、信頼できるメーカーに建築を依頼しましょう。
他社に比べて建築費用が格段に安かったり、工期が短すぎたりするメーカーには、注意が必要です。
可能な範囲で、実際に各メーカーに木造住宅の建築を依頼した方のレビューも、調べてみてください。
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まとめ
木造住宅の法定耐用年数は22年と決められているのに対し、物理的耐用年数は65年ほどといわれています。
木造住宅のメリットは、耐火性や断熱性の高さ、建築コストの安さ、デザインの自由度の高さなどです。
防音性の低さや虫害を受けやすい点などにも目を向けつつ、施工の品質を信頼できるメーカーに建築を依頼しましょう。
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