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火災保険や地震保険の補償の対象は?加入時の注意点もわかりやすく解説

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

住宅を守るための保険として「火災保険」や「地震保険」はよく耳にしますが、それぞれどんな補償内容で、実際にどのような違いがあるのかご存じでしょうか?また、補償の対象や加入時の注意点も知っておかないと、万が一の際に「想定と違った」と後悔することがあるかもしれません。この記事では、火災保険と地震保険の基本的な違いから、補償の対象、損害認定や保険金の仕組み、契約時の注意点までをやさしく解説します。大切な住まいを守るために、ぜひ最後までご覧ください。

火災保険と地震保険は何が違うのか、住宅の備えとして知っておくべき基本

火災保険は火災・落雷・風災などを主な原因とする損害を補償するのに対し、地震保険は「地震・噴火または津波」を原因とする火災・損壊・埋没・流失などの損害を補償します。地震による損害は火災保険では補償されないため、別途地震保険への加入が必要です。地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険にセットで加入する必要があります。既に火災保険に加入していても、途中から地震保険を付帯することが可能です。これらの制度は国と民間の保険会社が共同で運営する仕組みで、高額な地震損害に対し国が再保険として関与することで成り立っています。迅速な補償の実現を目的としており、被災後の生活再建に役立つ制度です。

保険の種類 補償対象となる損害 加入条件
火災保険 火災・落雷・風災など 単独契約可能
地震保険 地震・噴火・津波による火災・損壊・埋没・流失 火災保険とのセット加入

地震保険の補償対象と補償されないケース

地震保険では、補償の対象として「居住用の建物」と「家財」が含まれます。建物は住宅の主要構造部(基礎、柱、壁、屋根など)とされております。家財については家具、家電、衣類、食器などが含まれますが、現金、有価証券、自動車、高級美術品などは補償対象外となります。さらに自宅で仕事をしていても、業務専用の什器や商品は対象外です。また、損害認定で「一部損」にも至らない小さな被害や、地震発生後10日以降に発生した損害、不注意や故意による損害、戦争・内乱などによる損害も補償対象外です。

分類補償の対象補償されないケース
建物主要構造部分(柱・壁・屋根など)門や塀だけが壊れた場合、認定基準に達するのが難しい。
家財家具、家電、衣類、食器など日常品通貨、有価証券、自動車、高額美術品など
共通地震・噴火・津波による損壊、火災、埋没・流出「一部損」に満たない損害・故意や重大な過失・10日超経過・戦争等

建物と家財は、それぞれ別に加入が必要で、どちらか一方しか加入していない場合は、もう一方の補償が受けられません。また、地震発生後時間が経過した損害については、地震が直接の原因と判断されない限り補償対象外になります。これらの点を理解して、必要な補償範囲を適切に選定することが重要です。

なお、地震による被害で「一部損」に至らない軽微な損害(たとえば壁の小さなひび割れなど)は、補償の対象にならない場合がありますのでご注意ください。

損害認定区分と支払保険金の仕組み

地震保険では、被害状況に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つの区分に分類され、それぞれ地震保険金の所定の割合が支払われる仕組みです。この方式により、大規模災害時でも迅速かつ公平に保険金を支払うことが可能になっています(例:東日本大震災では約3か月で8~9割の対応を完了)。

以下は、各損害区分ごとの支払保険金率と認定基準の概要を表にまとめたものです。

損害区分 支払保険金率 認定基準(建物の場合)
全損 100% 主要構造部の損害額が時価の50%以上、または延床面積の70%以上が焼失・流失
大半損 60% 主要構造部の損害額が時価の40%以上50%未満、または延床面積の50%以上70%未満
小半損 30% 主要構造部の損害額が時価の20%以上40%未満、または延床面積の20%以上50%未満
一部損 5% 主要構造部の損害額が時価の3%以上20%未満
または床上浸水・45cm超浸水による損害(小規模な損害の場合)

家財についても同様の区分があり、それぞれ「全損:80%以上→100%」「大半損:60~80%未満→60%」「小半損:30~60%未満→30%」「一部損:10~30%未満→5%」とされています 。

さらに、地震保険の支払いには以下のような仕組みや注意点があります

  • 保険金は再取得価額ではなく、あらかじめ定めた保険金額に基づき、上記割合で支払われます 。
  • 1回の地震による全社の支払保険金総額が12兆円を超える場合は、全体の支払額に応じて各契約者への支払い額が比例して削減される可能性があります 。
  • この簡素な区分方式により、被害の多い場合でも迅速な査定と支払が可能です。これは大地震発生時の迅速な生活再建に大きく寄与します 。

このように、損害認定区分と支払基準を理解することは、地震保険契約時に自社で設定する保険金額や見積もりのシミュレーションを行う際にも非常に重要です。被災時に実際にどれだけの補償が受けられるかを事前に把握し、適切な加入判断につなげることができます。

加入時の注意点とお得な制度

火災保険と地震保険を契約する際には、以下の点に特に注意が必要です。加入後に後悔しないためにも、それぞれの制度を把握したうえで判断することが大切です。

項目 内容 ポイント
保険金額の上限 建物:火災保険金額の30〜50%、上限5,000万円/家財:火災保険金額の30〜50%、上限1,000万円 地震保険の補償額が火災保険の範囲内に制限されている点に注意
割引制度 免震建築物割引50%、耐震等級割引(耐震等級1:10%、2:30%、3:50%)、建築年割引10%、耐震診断割引10% 複数の割引があっても重複して適用できないことが多いため、最も割引率の高い制度を選ぶことが肝要
長期契約による割引 2年~5年の契約で、長期係数に応じた割引が適用(例:5年契約係数4.65 → 年間約7%割引) 長期一括払いにより保険料を抑えやすい

まず、地震保険は火災保険の補償額に対して30〜50%の範囲でしか設定できず、しかも建物で最大5,000万円、家財で最大1,000万円という上限があります。このため、火災保険のみでは地震時の補償が十分でない可能性があるため、設定の際には慎重な検討が必要です。

また、割引制度としては、免震建築物に対する50%割引や、耐震等級による最大50%割引、昭和56年6月1日以降建築の物件に対する10%割引、耐震診断結果に基づく10%割引などが存在します。ただし、保険商品では複数の割引を併用できず、最も優位な割引制度を選ぶ必要があります。

さらに、地震保険は1年契約だけでなく2年以上の長期契約が可能で、契約期間に応じた長期係数が設定されています。例えば5年契約の場合、年平均では約7%程度の割引となるため、支払い負担を軽減できます。

最後に、住宅ローンをご利用の方やご自身の住む地域が地震リスクの高いエリアである場合には、補償額や割引の適用状況を踏まえた慎重な加入判断をおすすめします。



まとめ

火災保険と地震保険は補償の範囲や加入方法に違いがあり、自宅を守るためにはそれぞれの特徴を理解しておくことが大切です。地震保険は火災保険とセットで契約し、建物や家財が地震により損害を受けた場合に補償されますが、貴金属や自動車など対象外のものもあります。補償金額には上限があるため、建物の価値や住宅ローンの有無を考え、必要な補償額を見極めましょう。加入時には割引や税制面でのメリットも活用し、最適な保険選びを心がけてください。



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