災害に強いマイホームの画像

災害に強いマイホーム

お役立ち情報

日本は台風、地震、豪雨など非常に自然災害の多い国です。
住まいは生活するうえで、なくてはならないものですが災害によって失われる可能性は大いにあります。
間取りやデザイン性重視で建てたとしても災害で失われては何の意味もありません。
自然に抗うことができない分、少しでも災害に強い住宅を建てることが望まれます。
どのようなことを考えマイホームを建てるのがいいのでしょうか。
4つのチェックポイントをまとめました。

1. 立地・土地の安全性

どんなに建物の強度を高めても立地や土地によって災害に弱い住宅になってしまいます。
例えば、地盤が強固でなければ倒壊しやすくなりますし、川や海の近くに立地していれば洪水や津波の影響を受ける可能性は高くなります。
山のふもとにあれば豪雨などで土砂災害の危険性も高まります。
建築する前にその土地の特徴を知ることが大切です。

<ハザードマップを確認する>
自治体のホームページや役所でも調べることができます。

NHK防災のホームページから抜粋

土石流や地すべりなどの警戒区域や洪水や津波が生じた場合どれくらいの影響があるかなど色別に分かれており確認することができます。

東大阪の一部は色が付いておらず災害の危険性が少ない地域がありますね。

 

<地盤調査をする>
ネット(例:地盤サポートマップ)の活用、地盤調査会社に依頼
地盤が弱い場合は改良工事の検討も必要です。→専門家に相談しましょう


 地盤サポートマップのホームページから抜粋しました。

調べたい地域を検索すると地形や地質、標高などが確認できます。

今回は東大阪市付近で検索してみました。

<実際に現地に行ってみる>
素人目線では限界があるかもしれませんが、全く見たことも行ったこともない土地にマイホームを建てるのはリスクがあります。
周辺の土地と比べて低くないか
雨の日に土地や周辺道路に水が溜まっていないか→洪水のおそれがある
崖に面した土地でないか→崖崩れのおそれがある
埋め立てた土地でないか→地盤沈下のおそれがある
土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に指定されていないかetc
◆実際に現地に行って周りの住環境含めて確認することををおススメします。




2.建物の構造と強度


<耐震等級を考える>
法律上は等級1を守ればOKで、等級2、3は任意の基準です。
年々、耐震等級3の割合は増えていますが、分譲住宅やマンションの場合、ハウスメーカーや工務店、デベロッパーが事前に耐震等級を決めてつくるのが一般的です。
注文住宅では、メーカーや工務店が自社の基準や仕様を事前に定めていることもありますが、家を建てる方の希望に応じて設計してくれる
ケースもあります。はじめに、建築士や営業の担当者に要望を伝えておくことが大切です。
間取りができてから耐震等級を上げようとすると、理想の間取りが実現できなくなってしまう可能性もあります。


 
<構造計算を行って設計してもらう>
耐震等級3の建物なら安心ではなく一番重要なのはしっかりと「壁倍率」などの構造計算を行っているかどうかです。
壁倍率は、壁の耐震性能を示す指標です。壁倍率が高いほど、壁の耐震性能は高くなります。
壁の厚さや、壁に入っている筋違いの数や太さなどによって決まります。
上限は5.0で、5.0の壁倍率を持つ壁は、最も耐震性能が高い壁となります。
壁倍率が高い壁は、地震の際に倒壊するリスクが低く、建物の安全性を高めることができます。
建築基準法では、木造建築物の耐力壁の壁倍率を1.0以上にすることが義務付けられています。
しかし、壁の厚さを厚くしたり、壁に入っている筋違いの数や太さを増やしたりすると、建物の重量が増加し、耐震性能が低下するリスクが高まります。また間取りに制限があったり、コストも上がる可能性がでてきます。

<建物を軽量化する>
地震の揺れを軽減することができます。
屋根などの材料を瓦ではなく例えばガルバリウム鋼板(鉄をベースにした合金で軽量で耐震性が高い)にして軽量化することで揺れ幅が少なくなります。
屋根や外壁などに使用する素材についても知っておくことでより災害に強い住宅を造ることができます。


<耐震構造と制震ダンパー組み合わせる>
制震ダンパーとは、地震や台風などに起因する建築物や構造体の振動を吸収することで、建物や基礎部分である構造体へ地震の揺れが伝わりにくくなるため、耐久性が高まります。
後付けも可能で、室内・室外のどちらからでも工事できるのが特徴です。
一般的に建物は、柱や梁など構造自体の強度を高めて地震に耐える「耐震構造」にしますが、地震を受けるたびに耐震性能はどんどん低下し、やがて深刻なダメージとなってしまいます。
耐震構造に制震性能をプラスすることで、繰り返し地震を受けても、長期に渡って耐震性能を維持し続けることができるようになります。
また、2階建てだけではなく、平屋や吹き抜け・高天井を採用した家などの場合でも揺れによるダメージを軽減できるのが魅力です。
ただし、制震ダンパーが本来の力を発揮するためには、ダンパーの種類に関わらずメーカーの指定している寿命とメンテナンスの周期を守る必要があります。
導入する場合は、メンテナンスの頻度や費用などを業者に確認しておきましょう。

(制震ダンパー)




3. 間取りの設計

<災害に強い間取りのポイント>
①地震に強い間取り
●シンプルな四角い形→凹凸が多い間取りは揺れやすく、構造が弱くなりがち
●中央部に耐力壁や柱を配置→家の「芯」がしっかりすると強くなる
●大開口(大きな窓や吹き抜け)はバランスに注意し、補強を入れる
●オーバーハング(2階が1階よりもせり出している建物)はできるだけ避ける
オーバーハングしている部分の荷重を1階で受け止めることができないため、建物のバランスが悪くなって倒壊の危険性が高まります。

②避難しやすい・安全な動線
●玄関・寝室・トイレを近くに配置→特に夜間の避難時に安心
●階段は中央付近に設置→災害時に1階・2階の行き来がしやすい
●家族の部屋が離れすぎない→地震や火災時にすぐ声を掛け合える

③ 水害・津波に強い間取り
●リビングを2階に設置→1階が浸水しても生活スペースを確保
●1階に和室を配置しない→畳は水害時にダメージ大きいため浸水しにくい2階に配置するのが良い
●浴室・トイレ・配管関係は水が逆流しない設計をする→排水口に逆流防止弁などを設置する

④ 風害・飛来物に備える配置
●特に風が直撃する面は窓の数を減らす or 小さくする方向で検討する
●風下側に寝室を配置→破損時のガラス飛散から守る
●隣家や塀との距離も考慮し、飛来物のリスクを下げる

⑤ 非常用スペースや備蓄の間取り工夫
●備蓄専用のパントリー・収納を確保
●停電時でも光が入る位置にトイレ・階段窓→昼間の避難行動がしやすい
●太陽光+蓄電池を置く設備スペースを事前に設計




4. 設備の備え

① 電気・停電対策
●太陽光発電+蓄電池→ 停電時にも電力供給が可能。スマホ充電や冷蔵庫を稼働できる。
●非常用コンセント→ 電源切替で使える専用コンセント(蓄電池と連動)。
●手回し・ソーラー発電機(サブ用)→ ライトやラジオ、充電に便利。
●分電盤に切替スイッチ→ 家のどの回路に電力を供給するか選べる。


 



②水道・断水対策
●雨水タンク(雨水貯留槽)→ トイレ洗浄や散水、非常用水に活用できる。
●逆流防止弁(排水管用)→ 洪水時の下水逆流を防ぐ。
●貯水タンク(飲料水用)→ 飲料・料理用に。床下や屋外設置も可能。
●簡易トイレ・災害用トイレシステム→ 断水時に活躍



③暴風対策
●シャッター付きサッシ/雨戸→ 飛来物から窓ガラスを守る。
●飛散防止フィルム(窓ガラス)→ 地震や台風で割れたときも破片の飛散を防ぐ。
●耐風圧サッシ/二重窓→ 強風や台風に強い窓構造。



   

④防災収納・避難対応設備
●備蓄収納スペース(パントリー、床下収納など)→ 食料・水・簡易トイレ・電池などの保管に便利。
●外部収納スペース(防災グッズ・止水板など)
●家の外への非常口(勝手口やバルコニー脱出口)



5.まとめ

誰しもがマイホームを自然災害で失いたくない気持ちはあると思います。事前の土地調査や建築構造についてなど個人ではできないことも多くあるので設計の段階で専門家や建築のプロに要望を伝えることが大切です。住宅について知識を深めることとプロとの連携をとって命と住宅を自然災害から守りより長く住み続けられるマイホーム造りを実現しましょう。





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