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違法建築物件の賃貸や購入は大丈夫?既存不適格物件との違いと不動産購入時の注意点をご紹介

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

不動産の賃貸や購入を検討する際、「違法建築物件」と「既存不適格物件」という言葉に不安を感じたことはありませんか?この2つは似ているようで本質的な違いがあり、選択を誤ると大きなリスクにつながることもあります。この記事では、それぞれの定義や具体的なリスク、適切な確認方法までをやさしく解説。自分と家族の安心を守るために知っておきたい重要ポイントを整理しました。気になる方はぜひ最後までご覧ください。

違法建築物件と既存不適格物件──定義と法的な違い

違法建築物件とは、そもそも建築した時点で建築基準法や条例に適合していない建物のことを指します。たとえば、建築確認申請で承認された内容と異なる仕様で建てられた場合や、無許可で増改築が行われたケースが該当します。こうした物件には、行政による是正命令や使用禁止措置、さらには所有者に対する罰則(懲役や罰金)が科される可能性があります。

一方、既存不適格物件とは、建築時においては法令に適合していたものの、その後の建築基準法や都市計画の改正により、現行の基準を満たさなくなった建築物を指します。つまり「建築時点では合法だったが、法改正により現行基準に合わなくなった」という点が特徴です。

両者の大きな違いは「建築時の適法性」にあります。違法建築物件は建築当初から違反があるため行政対応の対象となり、使用や増改築に制限が生じやすいのに対して、既存不適格物件は現状のままで使用可能であり、行政的な強制措置の対象にはなりづらいとされています。

項目違法建築物件既存不適格物件
建築時の適法性違法(当初から法令違反)合法(当時は適法だった)
法改正後の扱い是正命令や罰則の対象現状の使用は可能、建て替え時に現行基準が必要
行政対応使用禁止・除却・罰則の可能性あり通常は現状維持可能、ただし危険時は是正対応あり

不動産賃貸・購入における影響と注意点

違法建築物件や既存不適格物件を賃貸・購入する際には、それぞれ異なる法的リスクや対応が求められます。以下のように整理してお伝えします。

項目 違法建築物件 既存不適格物件
賃貸・購入時の法的リスク 行政から是正勧告や使用禁止、最悪は取り壊し命令の可能性があります。金融機関による住宅ローン利用も基本的に不可となります。
(例:告知義務やローン不可)
建築当時は合法であって現行法には適合しないため、利用自体は可能です。ただし増改築や建替えの際には現行基準が求められ、工事内容によっては対応が必要です。
住宅ローン・担保ローンの利用可否 ほとんどの金融機関では住宅ローンは利用できません。自己資金での購入でない限り、資金調達が困難です。 ローン利用が可能なケースもあります。特に容積率超過が10%以内など、条件によっては融資を受けられる銀行もあります。ただし、金融機関によって対応は異なるため事前確認が重要です。

一口に中古物件とはいえ、違法建築物件と既存不適格物件では、法的対応や金融機関の審査結果が大きく異なります。ご購入やご賃貸をご検討の際は、事前に現地確認や法的裏付けのチェック、そして金融機関への相談を行うことが重要です。



賃貸や購入後に知っておくべき法令と対応策

不動産の賃貸・購入後には、違法建築物件や既存不適格物件に関して法令に沿った対応を理解しておく必要があります。以下に、重要なポイントを整理してご紹介いたします。

項目 違法建築物件 既存不適格物件
行政の対応 是正命令や使用禁止命令の対象になり得る。従わない場合、罰則もありえます。 基本的に現状の使用は継続可能。ただし「著しく保安上危険」または「衛生上有害」と判断されれば、都道府県知事等から除却や修繕を命じられる可能性があります。
増改築の際の対応 そもそも法令違反であるため、増改築には違法状態の是正が前提です。 増改築や大規模修繕では現行基準の適用が必要。ただし、用途変更や増改築の規模により一部緩和規定の適用が可能です。
確認申請・履歴確認 建築確認申請や履歴自体が不正確な可能性がありますので、特に慎重に調査が必要です。 「検査済証」などの直近の工事に関する証明書類を確認し、現況調査ガイドラインに沿った書類・現地調査が重要です。

まず、違法建築物件は建築時点で法令に違反しており、行政からの是正命令や使用禁止などの措置対象となり得ます。これに従わなければ刑罰や罰金が科される可能性もありますため、購入や賃貸時点から慎重な確認が必要です。

一方、既存不適格物件は建築当時に合法だったものの、法改正により現行基準に合致しない状態にある建物です。基本的には現状の使用は認められますが、保安や衛生の観点から行政から除却や修繕が求められる可能性もありますので注意が必要です。

また、増改築や改修を行う場合には、増改築部分が一定範囲内であれば構造規定等の緩和措置が受けられる場合もあります。国や自治体により「構造関係規定の緩和」等の制度が定められていますので、具体的な検討の際には法令や自治体の条例を確認することが重要です。

さらに、法的な裏付けとして最も基本となるのが、建築確認申請や検査済証などの書類確認です。既存不適格建築物であることを示すためには、直近工事の検査済証を確認し、必要に応じて建築課の台帳記載事項証明書で補うなど、書類と現地調査による確認を行うことが不可欠です。

不動産賃貸・購入に際して確認すべきポイントまとめ

違法建築物件と既存不適格物件、それぞれにおいて賃貸・購入前に確認すべき法的ポイントを以下に整理いたします。当社では専門知識を活かし、お客様のご相談に丁寧に対応いたしますので、ぜひご遠慮なくお問い合わせください。

項目違法建築物件で確認すべきポイント既存不適格物件で確認すべきポイント
建築時点での合法性 建築確認申請や完了検査が未取得かどうかをご確認ください。未取得の場合、建築当初から法的に適合していない可能性があります 建築当時は合法かどうかを確認し、法改正後に適用免除の対象(建築基準法第3条第2項)かどうかをご確認ください
行政からの指導・命令の有無 使用禁止や除却、改修などの是正命令が出されていないか、地方自治体の記録でご確認ください 著しく保安上危険とされる場合に、除却や使用制限の命令がなされる可能性がありますので、現状に問題がないか確認が必要です
ローン・融資の可否 一般的に住宅ローンが極めて難しく、ノンバンク等の高金利融資や現金取引になる可能性が高いです 融資が受けられるケースもありますが、金融機関によって対応が異なりますので事前に確認を推奨いたします

当社では、上記のような確認ポイントについて司法書士や宅地建物取引士など専門家と連携し、お客様の賃貸・購入を法的にバックアップいたします。「違法建築物件」や「既存不適格物件」でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

この記事では、違法建築物件と既存不適格物件の違いや、それぞれの特徴・注意点について解説しました。不動産賃貸や不動産購入の場面では、建築時点の法的適合性の違いが大きな影響を与え、トラブル防止には事前の確認が欠かせません。特に住宅ローン審査や使用制限など、見落としがちなポイントも多いため、専門的な知識を持つ不動産会社に相談することが安心につながります。不明点や不安がある方は、ぜひ当社へご相談ください。




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