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所有者不明土地管理制度とは?安全な不動産管理の進め方を解説

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木村 和貴

筆者 木村 和貴

不動産キャリア2年

東大阪市大蓮南出身!小学生時代は久宝寺緑地のプール底で500円を探していました!中学校時代はソフトボール部でアクティブに体を動かしていました!八尾~東大阪エリアはもちろんの事前職では生野区エリアも担当しておりましたので不動産売買に関してお困りな事があればお気軽にご相談下さい♪

相続や転居などが重なると、いつの間にか所有者不明土地となり、草木が生い茂ったまま放置されてしまうことがあります。こうした土地は近隣トラブルや災害リスクを高めるだけでなく、不動産管理そのものを難しくする要因にもなります。
そこで近年、新たに整備された所有者不明土地の管理制度が注目されています。
この制度を正しく理解し活用できれば、権利関係が複雑な土地でも、適切な管理や利活用への道筋をつけることが可能になります。
本記事では、所有者不明土地問題の背景から管理人選任の手続き、実務で押さえるべきポイントまで、順を追ってわかりやすく解説します。

所有者不明土地問題と不動産管理の現状

所有者不明土地とは、不動産登記簿などを見ても所有者の所在が直ちに分からない、または連絡がつかない土地を指します。国の調査では、このような土地が全国の土地のおよそ2割を超え、面積としては九州よりも広い規模に達しているとされています。
相続登記や住所変更登記が長年放置されてきたことに加え、人口減少や都市部への人口移動によって、誰も利用しない土地が各地に残されてきたことが背景にあります。
このような所有者不明土地の増加は、国土の適正で合理的な利用を妨げる大きな要因になっているとされています。所有者不明土地が長期間放置されると、周辺の生活環境や不動産管理にさまざまな悪影響が生じます。

例えば、雑草や樹木が伸び放題になることで、防犯や防災の面で不安が高まり、近隣の景観や衛生状態も悪化しやすくなります。また、境界があいまいなまま空き地が残ると、隣接地の測量や売買、建替えといった通常の不動産取引にも支障が出るおそれがあります。加えて、公共事業や道路整備の際に所有者の同意が得られず、事業の遅れやコスト増につながるなど、地域全体のまちづくりにも影響が及ぶ点が指摘されています。

こうした状況を踏まえ、国では所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法を制定し、管理の適正化と土地の有効活用を図るための枠組みを整備しています。同法では、所有者の探索を進めるとともに、公共性の高い事業に活用するための仕組みや、必要に応じて収用・使用を認める特例などが設けられています。
さらに、空き家対策と所有者不明土地対策を一体的・総合的に推進する政策パッケージが示され、市町村などが計画的に管理・活用を進めることが重視されています。
所有者不明土地管理制度は、こうした対策全体の中で、個別の土地について管理の担い手を明確にし、安全で円滑な不動産管理を行うための重要な位置づけを持つ制度といえます。

項目 所有者不明土地の現状 不動産管理への影響
土地の規模 全国の約2割超 国土利用計画の困難化
発生の主な要因 相続登記の未了 所有者特定調査の負担増
管理不全の影響 雑草繁茂や老朽化 防災・防犯リスクの増大
公共事業への影響 用地取得手続の長期化 道路整備等の遅延
国の主な対策 所有者不明土地法の整備 管理制度による担い手明確化

所有者不明土地の管理者制度とは何か

所有者不明土地の管理制度は、民法の改正により新たに設けられた財産管理制度であり、所有者や所在が分からない土地・建物について、家庭裁判所が管理人を選任し、管理や処分を可能にする仕組みです。
従来は、不在者財産管理制度や相続財産管理制度で対応していましたが、所有者不明土地問題への対応としては十分でない面が指摘されていました。
そこで、個々の土地・建物に特化して管理を行う制度として所有者不明土地管理制度が創設され、公共事業や民間取引の円滑化、近隣の安全確保などを図ることが期待されています。

法律上、「所有者不明」とされるのは、登記簿などから所有者を特定できない場合や、所有者の所在が長期間分からない場合などであり、相続登記がされていない土地や、相続人の一部が所在不明となっている共有不動産が典型例とされています。対象となるのは土地だけでなく建物も含まれ、所有者による管理が明らかに不十分な「管理不全」の状態にある不動産も新たな制度の枠組みの中で取り扱われます。
このように、所有者不明土地管理制度は、登記や所在の不備によって放置されやすい不動産を、法的な枠組みの中で整理・管理するための重要な手段となっています。

不在者財産管理制度が、不在者の全財産を対象として包括的に管理人を選任する仕組みであるのに対し、所有者不明土地管理制度は、問題となっている特定の土地や建物ごとに管理人を選任する点に大きな特徴があります。
そのため、所有者不明土地管理制度では、当該不動産以外の財産まで管理の対象とする必要がなく、予納金などの費用負担を抑えやすいといった実務上の利点があります。
また、複数の共有者の所在が不明な場合でも、原則として一人の管理人に集中的に管理を担わせることができるため、合意形成が難しい共有不動産の管理や処分を進めやすくなる点も、新制度ならではの強みです。

制度名 管理の対象範囲 主な目的
所有者不明土地管理制度 特定の土地・建物単位 所有者不明不動産の管理・処分
不在者財産管理制度 不在者の全財産一括 不在者財産の保全・管理
相続財産管理制度 相続財産全体 相続人不明財産の清算

所有者不明土地管理人選任の要件と手続き

所有者不明土地管理人を選任してもらうには、まず「誰が申し立てできるか」と「どのような事情が必要か」を整理することが大切です。民法では、所有者不明土地やその共有持分の管理について利害関係を持つ人と、地方公共団体の長などに申立権が認められています。
例えば、隣接地の所有者、他の共有者、公共事業の実施者などが典型的な利害関係人とされ、土地が放置されていることで具体的な不利益や支障が生じていることを示す必要があります。
このように、単なる関心ではなく、管理が行われないことで現実的な不都合がある場面で活用される制度といえます。

所有者不明土地管理命令を利用する際には、管轄裁判所への申立て手順と必要書類を事前に確認しておくことが重要です。
申立先は、対象となる土地の所在地を管轄する地方裁判所とされており、申立書に加えて登記事項証明書や固定資産評価証明書、所有者探索の経過をまとめた報告書などを添付するのが一般的です。
さらに、土地の位置や現況を示す図面、写真、現況調査報告書などを準備しておくと、放置状況や管理の必要性を裁判所に具体的に説明しやすくなります。裁判所は、これらの資料に基づいて要件を満たすか審理し、必要に応じて申立人への審問を行ったうえで管理人を選任します。

選任された所有者不明土地管理人には、管理権限とともに相応の義務が課されています。管理人は、対象となる土地や共有持分について、保存・利用・改良などの行為を行うことができ、裁判所の許可を得れば売却や建物の取り壊しといった処分行為も可能です。
一方で、所有者不明土地管理人は善良な管理者の注意義務を負い、複数の共有者がいる場合には、全員の利益を公平に考慮して権限を行使しなければならないと定められています。
このように、権限と義務の両面が整備されていることで、放置された土地でも、法的に適切な管理と処分を進められる仕組みになっています。

項目 主な内容 実務上の確認点
申立てできる人 利害関係人・地方公共団体の長 自分が利害関係人に当たるか整理
申立て手順 管轄裁判所へ書類一式を提出 登記・評価・探索資料の事前収集
管理人の役割 保存・利用・改良・処分の実行 権限範囲と注意義務の理解

所有者不明土地管理制度を活かした安全な不動産管理

所有者不明土地法に基づき、所有者の所在把握や適切な管理のための基本方針やガイドラインが整備され、不動産管理の現場で活用しやすい仕組みが用意されています。国土交通省は、所有者の所在の把握が難しい土地の探索・利活用のためのガイドラインを策定し、登記情報や住民基本台帳など客観的資料に基づく調査の進め方を示しています。

また、改正所有者不明土地法の施行に合わせて、所有者不明土地の利用の円滑化と管理の適正化を図るための基本方針が見直され、土地の管理と活用の両面から対策を進める方針が示されています。
このような公的な指針を踏まえたうえで、不動産管理の専門家が個別の事情に応じた管理方法を検討することが、安全な不動産管理につながります。空き家と所有者不明土地は、いずれも防災・防犯や衛生、景観といった面で周囲に影響を及ぼし得るため、両者を切り離さず一体的に対策を進めることが重要とされています。

政府は、空き家対策と所有者不明土地等対策の一体的・総合的推進に関する政策パッケージを取りまとめ、市区町村が空家等対策計画と所有者不明土地対策計画を連携させて策定することを促しています。
この政策パッケージでは、所有者探索の効率化や利活用方策の検討など、空き地・空き家を地域の実情に応じて活用していく方向性が示されています。したがって、不動産管理では、空き地や空き家を単に維持するだけでなく、地域の防災性向上や利活用の可能性も視野に入れて管理方針を考えることが求められます。

所有者不明土地管理制度を適切に活用するためには、日頃から登記・相続・日常管理の各場面で基本的な点を確認しておくことが大切です。民法及び不動産登記法の改正により、相続登記の申請義務化や住所変更登記の申請義務化が導入され、相続発生後の長期未登記を防ぐ枠組みが順次施行されています。さらに、相続土地国庫帰属制度が創設され、一定の要件の下で土地を手放す選択肢も用意されるなど、所有者不明土地の発生抑制と管理のしやすさを高める方向で制度整備が進められています。
こうした法制度の動向を踏まえ、相続発生時の登記手続や日常的な土地管理を怠らないことが、将来のトラブル防止と安全な不動産管理の基盤となります。

確認項目 主な内容 管理への効果
登記情報の最新化 相続登記・住所変更登記の確実な申請 所有者不明土地の発生予防
空き地空き家の点検 老朽化や雑草繁茂の定期的な確認 防災防犯上のリスク低減
制度活用の検討 管理制度や国庫帰属制度の利用可能性把握 円滑な処分と適正管理の実現

まとめ

所有者不明土地管理制度は、放置された土地を安全に管理し、近隣トラブルや資産価値の低下を防ぐための重要な仕組みです。
家庭裁判所で管理人を選任することで、草木の伐採や老朽建物の対応、売却や活用まで法的に進めやすくなります。一方で、申立て書類の準備や権限・義務の理解など、専門的な判断が必要な場面も少なくありません。
所有者不明土地や空き地・空き家でお困りの方は、早めに不動産管理の専門家へご相談いただくことで、最適な制度活用と円滑な問題解決につながります。




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