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テナントの居抜き物件、実は開業費用を半分に抑えられる?メリットを徹底解説

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高井 瑞樹

筆者 高井 瑞樹

前職の金融機関では、消費者ローン・事業性融資を主とする融資係として金融知識を深めてまいりました。元銀行員としての知識を生かし、金融業界からの目線も併せてご提案させていただきます。
不動産業界としては1年生ではありますが、知識を深めつつ誠心誠意努めてまいります!

この記事の結論

居抜き物件は、前テナントの内装や設備を引き継いで借りられるテナント物件です。スケルトン物件に比べて初期費用と開業までの期間を抑えやすい一方、設備の状態や造作譲渡料の妥当性を見極める目が欠かせません。大阪でテナント物件をお探しの方向けに、借りる側から見たメリットと注意点を整理して解説します。

1. 居抜き物件とは何か

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装・設備・什器などがそのまま残された状態で貸し出される物件のことです。飲食店であれば厨房設備や空調、客席什器、美容室であればシャンプー台やセット面といった、業態特有の設備がそのまま残っている場合があります。これに対して、内装も設備もすべて撤去され、コンクリート打ちっぱなしのような躯体だけの状態で引き渡される物件は「スケルトン物件」と呼ばれます。

開業を検討する事業者にとって、内装工事は初期費用の中でも大きな割合を占める項目です。居抜き物件はこの内装工事の一部、あるいは大部分を省略できる可能性があるため、限られた予算とスケジュールの中で開業を目指す方から注目されています。ただし「そのまま使える」とは限らず、業態や規模が異なれば結局大幅な改装が必要になることもあり、メリットとデメリットの両面を理解した上で検討することが重要です。

居抜きとスケルトンの初期費用イメージ比較

居抜き物件(内装・設備譲受)
55%
スケルトン物件(フル内装工事)
100%

※スケルトン物件の内装工事費用を100とした場合の目安イメージです。業種や設備の流用範囲により変動します。

居抜き物件は、飲食業や美容業をはじめ、開業時にまとまった設備投資が必要となる業種を中心に選択肢の一つとして定着してきました。物件の状態や前テナントとの業態の近さによってメリットの大きさは変わるため、「居抜きだから必ず得」というわけではなく、内容を精査したうえで比較検討することが失敗を避けるコツです。次の章では、テナント側から見た具体的なメリットを整理していきます。

2. 借主側から見た5つのメリット

居抜き物件を借りる側にとってのメリットは、単に「安い」というだけではありません。開業までの時間やリスクの軽減など、複数の観点から整理できます。

①初期費用を抑えやすい

厨房機器やエアコン、什器などを新規に揃える場合、業種によっては数百万円単位の投資になることも珍しくありません。居抜き物件であれば、これらの設備を造作譲渡というかたちで引き継げるため、ゼロから揃えるよりも初期費用を抑えられる可能性があります。特に開業資金に制約のある個人事業主や、多店舗展開を進めたい事業者にとって、この差は経営の余力に直結します。

②開業までの期間を短縮できる

スケルトン物件では、設計・施工・検査といった内装工事の工程に数週間から数か月を要します。居抜き物件であれば、大掛かりな工事を省略できる分、契約から開業までの期間を大幅に短縮できる可能性があります。物件を借りている期間の家賃負担を最小限にしたい事業者にとって、これは経営上の大きな利点です。

③業態イメージを具体的につかみやすい

前テナントと近い業種の物件であれば、客席のレイアウトや動線、厨房の配置などを実際に見ながら自店舗の運営をイメージできます。図面だけでは把握しづらい使い勝手や死角、搬入経路なども確認できるため、開業後のオペレーション設計をより現実的に検討できます。

④許認可取得がスムーズになる場合がある

飲食店営業許可などの許認可は、厨房設備の構造や配置が基準を満たしているかが審査のポイントになります。前テナントが同業種で許認可を取得していた物件であれば、設備配置の基準を大きく変えずに申請できるケースがあり、開業準備の手続き面での負担軽減につながることがあります。

⑤解体・原状回復の負担を分散できる可能性がある

物件によっては、退去時の原状回復義務の範囲があらかじめ限定されている場合もあります。契約内容次第ではありますが、入居時の解体工事が不要な分、退去時に想定される負担も含めてトータルで比較検討できる点は、長期的な事業計画を立てるうえで参考になります。

居抜き物件を検討する理由の内訳イメージ

初期費用の削減(約4割)内装・設備投資を抑えて開業資金の余力を確保したいというニーズ

開業スピードの短縮(約3割)工事期間を短くし、早期に営業を開始したいというニーズ

業態イメージの確認しやすさ(約3割)現地を見ながら運営イメージを具体化したいというニーズ

3. 業種別に見る居抜き活用のポイント

居抜き物件のメリットは、前テナントとの業態の近さによって大きく変わります。業種ごとにどのような点に注目すべきかを整理します。

  • 飲食店:厨房機器・排気ダクト・グリストラップなど、飲食店特有の設備をそのまま活用できるかが最大のポイント。前業態と近い業種であるほど改装範囲を抑えやすくなります。
  • 美容室・サロン:シャンプー台や給排水配管、電源容量の流用可否を確認。美容室から美容室への居抜きは、配管工事の再施工を避けられる場合があります。
  • クリニック・整体院:間仕切りや空調設備を活かしやすい一方、医療機器や設備基準は業態ごとに異なるため、法令基準への適合を個別に確認する必要があります。
  • 物販店:什器や什器什具の譲受で開業準備を簡略化できる場合がある一方、ブランドイメージに合わせた内装変更が必要になるケースも多いです。
業種活用しやすい設備確認すべきポイント
飲食店厨房機器・排気ダクト・グリストラップ排気能力、営業許可基準との適合
美容室・サロンシャンプー台・給排水配管配管の老朽度、電源容量
クリニック間仕切り・空調設備医療法上の設備基準への適合
物販店什器・レジ周り設備ブランドイメージとの整合性

※上表は一般的な傾向の例です。実際の適合可否は物件ごとに確認が必要です。

同じ「居抜き」でも、前テナントの業態が近いか遠いかによって、実際に活用できる範囲は大きく変わります。内見の際は、譲渡対象設備を単に見るだけでなく、実際に稼働させて動作確認できるかどうかを事前に不動産会社へ相談しておくと、契約後のトラブルを減らすことができます。

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4. 知っておきたいデメリット・注意点

居抜き物件には多くのメリットがある一方で、見落とすと開業後に想定外のコストやトラブルにつながりかねない注意点もあります。

  • 設備の老朽化:見た目では判断しにくい経年劣化があり、入居後すぐに修繕・交換が必要になるケースがあります。
  • 造作譲渡料の妥当性:譲渡対象の内訳が不明確なまま高額な譲渡料を求められることがあるため、金額の根拠を確認する必要があります。
  • 業態が合わない場合の改装コスト:前テナントと異なる業種の場合、結局大部分の設備を入れ替えることになり、当初想定していたコストメリットが薄れることがあります。
  • 前テナントの退去理由:経営不振や近隣トラブルなど、物件固有の事情が背景にある場合もあるため、可能な範囲で確認しておくと安心です。

また、居抜き物件であっても敷金・保証金の水準がスケルトン物件と大きく変わらないケースもあります。初期費用全体を比較する際は、内装・設備費用だけでなく、敷金・保証金・仲介手数料など契約時にかかる費用全体を含めて試算することが、実質的なコストメリットを正しく見極めるポイントになります。

5. 契約前にチェックすべきポイント

居抜き物件のメリットを十分に活かすためには、契約前の確認作業が欠かせません。特に、譲渡対象となる設備の範囲と状態、費用の内訳を明確にしておくことがトラブル防止の基本です。

契約前チェックリスト

  • 譲渡対象設備のリストと現況を確認したか
  • 造作譲渡料の内訳と算定根拠を確認したか
  • 給排水・電気・空調設備の耐用年数を確認したか
  • 前テナントの退去理由を確認したか
  • 原状回復義務の範囲を契約書で確認したか
  • 必要な許認可の基準に設備が適合するか確認したか

居抜き物件を契約するまでの流れ

STEP 1
物件情報の収集
希望エリア・業種に合う
居抜き物件を探す
STEP 2
現地確認・設備調査
設備の状態と譲渡範囲を
実地でチェック
STEP 3
条件交渉・契約
譲渡料や契約条件を
すり合わせて契約

※実際の流れは物件や仲介会社によって多少異なります。

6. よくある質問(FAQ)

居抜き物件とスケルトン物件、何が違いますか?
居抜き物件は前テナントの内装・設備・什器がそのまま残った状態で貸し出される物件、スケルトン物件は躯体だけの状態で内装工事がゼロから必要な物件です。居抜きは初期費用と開業までの期間を抑えやすい一方、間取りや設備が自社の業態と合わない場合もあります。
居抜き物件はどんな業種に向いていますか?
飲食店や美容室、クリニック、物販店など、給排水設備や空調、内装のグレードが業態ごとに近い場合に特にメリットが出やすいです。前テナントと業種が近いほど設備をそのまま活かせる範囲が広がります。
居抜き物件は必ず安く開業できますか?
スケルトンに比べて初期費用を抑えやすい傾向はありますが、造作譲渡料の設定や、設備の老朽化による追加修繕費によっては割高になるケースもあります。譲渡対象設備の状態を必ず確認することが重要です。
居抜き物件の造作譲渡料とは何ですか?
前テナントが設置した内装・設備・什器を引き継ぐ際に、その対価として前テナントへ支払う費用です。相場は業態や設備の状態によって幅があるため、内訳の明細を確認したうえで金額の妥当性を判断する必要があります。
居抜き物件を契約する際に注意すべき点はありますか?
設備の所有権や修繕義務の所在、原状回復の範囲、前テナントの退去理由などを事前に確認することが大切です。契約書に譲渡対象設備のリストを添付してもらうとトラブルを防ぎやすくなります。
居抜き物件はどこで探せますか?
不動産仲介会社のほか、居抜き物件専門のマッチングサイトでも探すことができます。地域の商業事情に詳しい地元の不動産会社に相談すると、非公開物件の情報を得られる場合もあります。

7. まとめ

テナントの居抜き物件は、初期費用の削減や開業までの期間短縮、業態イメージの把握のしやすさなど、借りる側にとって多くのメリットがあります。特に前テナントと近い業種であれば、設備の流用範囲が広がり、開業準備の負担を大きく軽減できる可能性があります。

一方で、設備の老朽化や造作譲渡料の妥当性、業態が合わない場合の改装コストなど、事前確認を怠ると想定外の出費につながるリスクもあります。譲渡対象設備のリストアップと状態確認、契約条件のすり合わせを丁寧に行うことが、居抜き物件のメリットを最大限に活かすポイントです。大阪でテナント物件をお探しの方は、業種に合った居抜き物件の紹介から契約条件の確認まで、まとめてご相談いただけます。


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