ベランダは後付けできる?建築基準や注意点についても解説

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石田 唯

筆者 石田 唯

不動産キャリア1年

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ベランダは後付けできる?建築基準や注意点についても解説

この記事の執筆者

石田 唯

石田 唯

大阪市の不動産担当エージェント

保有資格:宅地建物取引士

初めまして!「リノベスト不動産で物件を探してよかった!」と思っていただけるように、お客様に寄り添った接客を心がけています。

自宅にベランダを後付けすることで、洗濯物を干すスペースが確保でき、生活の利便性が向上することをご存じでしょうか。
また、日当たりの確保や、駐車場の上部を有効活用する手段としても、設置を検討する方が増えています。
しかし、後付けには建築基準法の制約や住宅の構造面での確認が必要なため、慎重に検討しなければなりません。
この記事では、ベランダの後付けが可能かどうか、その目的や設置時の注意点について解説します。

ベランダを後付けできるのか

ベランダを後付けできるのか

ベランダは、住まいに快適さと利便性をもたらす重要なスペースです。
洗濯物を干したり、ちょっとした休憩場所として活用したりと、その用途は多岐にわたります。
しかし、家を建てた当初にベランダがなかった場合や、後から追加を検討する場合、どのようなタイプや素材を選べば良いのか悩むこともあるでしょう。
後付けする際には、建物の構造や、周辺環境との調和を考慮することが大切です。

タイプ

ベランダを後付けする際には、主に以下の三つのタイプが考えられます。
いずれのタイプも、施工面積や高さ、屋根の有無によって外観や使い勝手が変わり、費用にも影響します。
1.アール型
屋根の先端が丸みを帯びたデザインで、柔らかい印象を与えます。
雨や日差しの吹き込みを防ぎやすく、雪が積もりにくいという利点もあるため、降雪量の多い地域でも比較的使いやすいでしょう。
丸みを帯びた形状は、外観を優しいイメージに仕上げたい場合にも適しています。
2.フラット型
屋根が平らな形状で、すっきりとしたモダンな雰囲気を演出します。
開放感があり、視界を遮らないため、景観を重視する方に人気があります。
ただし、アール型に比べると多少雨の吹き込みが起きやすい場合もあるので、設置場所の向きや周囲の風向きにも注意が必要です。
3.ルーフ型
柱を使用せず、外壁に直接取り付けるタイプです。
柱がない分、床面を広く使えるのが特徴ですが、外壁への負荷や強度をしっかりと確認しなければなりません。
外壁の素材によっては施工方法が限られる場合があるため、専門家による十分な調査が不可欠です。
施工にかかる費用は規模や素材、工法などで異なり、30万円程度から100万円以上かかる場合があります。
耐久性やメンテナンス性とあわせて、どのタイプにするかを検討しましょう。

素材

ベランダの素材選びは、耐久性やメンテナンス性、デザイン性に大きく影響します。
また、建物の外観や周辺環境との調和も意識すると、美しい仕上がりになります。
1.金属製
スチール製は、比較的安価で頑丈ですが、定期的な錆止め塗装が必要です。
アルミ製はスチールより高価ですが、軽量で錆びにくく、長期的にはメンテナンスコストを抑えられるでしょう。
いずれも、防水処理や接合部の定期点検などが重要です。
2.木製
天然木は自然な風合いが魅力で、庭や植栽との相性も良く、温かみのある空間になります。
しかし、シロアリ被害や腐食を防ぐための定期的な防腐処理や塗装が欠かせません。
人工木は、木の質感を活かしつつも腐食しにくい特徴があり、メンテナンスの負担を軽減できます。
3.床材
タイル系床材は高級感があり、耐久性も高いですが、重量があるため施工前に建物の構造強度を確認する必要があります。
樹脂製床材は軽量で、耐熱性や防水性に優れているため、施工も比較的容易です。
デザインも豊富なので、好みに合わせて選びやすいでしょう。
ベランダを後付けする際は、これらのタイプや素材の特徴や予算、そして建築基準法の条件を照らし合わせながら計画を進めることが大切です。
近隣への配慮も必要となるため、施工前には施工業者や専門家としっかり相談してください。

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ベランダを後付けする目的について

ベランダを後付けする目的について

ベランダは、住まいの快適性と機能性を高める重要な空間です。
後付けでベランダを設置すると、生活の質が向上する多彩なメリットが得られます。

洗濯

洗濯物を干すスペースの確保は、ベランダを後付けする代表的な目的です。
屋外で干せば、風や日光を効率的に活用でき、室内干しのような湿気やカビのリスクを減らせます。
また、布団や大型のシーツなども干しやすくなるため、家事の負担が軽減されるでしょう。
屋根があれば急な雨から洗濯物を守れるため、天候を気にせずに干しやすいです。

駐車場

二階部分などにベランダを設置すると、その下のスペースを駐車場として利用できます。
車を、雨や直射日光から守ることで車体の劣化を抑えられ、外観の美しさを長期間維持しやすくなります。
また、都市部などで駐車スペースが限られている場合は、限られた敷地を有効に使える点が大きなメリットです。

陽当たり

南向きの窓に強い日差しが差し込む場合は、ベランダを設置することで適度に光を遮ることができます。
これにより、室温の上昇を抑え、エアコンの使用を減らす効果が期待でき、電気代の節約にもつながるでしょう。
窓や外壁に対する雨風の影響も軽減されるため、外壁の劣化を防ぐうえでも役立ちます。
さらに、ベランダ自体を緑化して植物を育てれば、ちょっとしたリラックス空間としても楽しめるでしょう。

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ベランダの後付けを検討するときの注意点

ベランダの後付けを検討するときの注意点

ベランダを後付けする際には、法的な制約や手続き、そして安全性の面でも慎重に検討する必要があります。
とくに、建ぺい率や容積率、建築確認申請の要否を把握し、専門家と相談しながら進めることが大切です。

建ぺい率

建ぺい率とは、敷地面積に対する、建築物の建築面積の割合を指します。
地域の用途地域ごとに上限値が定められており、一般的には30%から80%の範囲で設定されています。
たとえば、建ぺい率が50%の地域で敷地面積が100平方メートルの場合、建築面積は50平方メートルまでが許容範囲です。
屋根付きのベランダを後付けすると、その分が建築面積として算入される場合が多く、既存の建物が上限付近にあると増築が難しくなります。
上限を超えると建築基準法違反となり、是正命令や罰則を受ける可能性もあるため、事前に現在の建ぺい率を確認し、問題がないか確かめましょう。

確認申請

増築に該当する工事をおこなう場合、建築確認申請が原則として必要です。
防火地域や準防火地域では基準が厳しく、建築面積や増築部分の床面積が10平方メートルを超えるかどうかによっても申請の要否が変わります。
確認申請をおこなわずに増築すると、違法建築とみなされる恐れがあり、罰則や将来的な不動産取引の際に支障をきたす場合があります。
そのため、設置前に行政や設計士、施工業者などと相談しながら正しく手続きを進めてください。

容積率

容積率は、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。
用途地域によって200%や300%など上限値が設定されており、ベランダを増築する際は延べ床面積に算入されるかどうかを確認します。
壁や屋根がしっかり取り付けられたベランダは、延べ床面積に含まれる可能性が高く、上限を超過すると建築基準法違反となります。
屋根や壁が一部オープンな構造なら、算入されない場合もありますが、細かな判断基準は自治体や建築士によって異なるため注意が必要です。

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まとめ

ベランダの後付けは可能ですが、建物の構造や建築基準法の制約を考慮して計画することが大切です。
洗濯スペースの確保や駐車場上部の有効活用など、目的に応じた設置方法を検討しましょう。
安全なベランダを実現するためにも、必ず専門家に相談し、地方自治体のルールや構造上の安全性を事前に確認することを心がけましょう。


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