建て替えとリフォームの違いは？費用相場と決め方のポイントを解説

家が古くなった場合やライフスタイルに合わなくなってきた場合には、建て替えもしくはリフォームの選択肢があります。
それぞれメリットやかかる費用が異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことがおすすめです。
そこで今回は、建て替えとリフォームの違いや費用相場、決め方のポイントについて解説します。

建て替えとリフォームの違い

建て替えとリフォームでは、概念や実際におこなう内容が異なるため、施工を依頼する前によく把握しておく必要があります。
ここでは、建て替えとリフォームそれぞれの概要とメリット・デメリットを解説します。

建て替えの概要

建て替えとは、現存の建物を取り壊し、基礎部分から建て直すことを指します。
間取りを大幅に変更したい場合や、基礎部分の老朽化が激しく修復できない場合に建て替えが選択されることが多いです。
建て替えをおこなうためには、建築基準法で定められた条件を満たしていなければいけません。
条件を満たさない土地は「再建築不可物件」に該当します。
また、建て替えが可能な場合でも、現行法にもとづき建てる必要があるため、現存の家よりもサイズが小さくなる可能性があります。

建て替えのメリット

建て替えのメリットは、家の構造や設備を根本から変更できる点です。
耐震性や断熱性など、元の家に不足していた性能を補えます。
また、リフォームよりも高額なローンを組みやすく、資金繰りがしやすいメリットもあります。
一方で、リフォームよりも費用が高くなり、工期も長い点はデメリットです。

リフォームの概要

リフォームとは、既存の建物を修繕、改築することを指します。
リフォームのなかには、主要構造部以外の大部分を作り直すフルリフォームや目に見える設備だけを変える表層リフォームなど、さまざまな規模のものがあります。
施行範囲によって「リノベーション」と呼ばれる場合もありますが、リフォームとの違いに明確な定義はありません。
既存の建物の基礎部分などを活かすことが、リフォームと建て替えとの大きな違いです。

リフォームのメリット・デメリット

リフォームのメリットは、建て替えに比べて費用が安く済むことです。
また、建て替えの工期は3～8か月程度なのに対し、リフォームは1～5か月程度でできるのもメリットです。
リフォームの規模や方法によっては、住みながら施工することも可能なため、仮住まいを用意する手間や費用も省けます。
リフォームのデメリットは、構造の変更ができないため、間取りの自由度が低い点です。
とくに骨組みや基礎が老朽化している場合は、リフォームによる根本的な改善は図れません。

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建て替えとリフォームの費用相場

建て替えとリフォームではかかる費用が異なるため、相場を把握しておくことは大切です。
ここでは、それぞれの相場と費用の内訳を解説します。

「建て替える場合」の費用相場

建て替えの費用相場は、1,500万円～4,500万円程度です。
建て替え費用の内訳は、以下のとおりです。

●解体費
●設計料・建築費
●付帯工事費
●地盤調査費
●不動産取得税

建て替えの費用は、解体する家の状態と新しく建てる家のグレードによって変動します。
解体費用は木造の場合は比較的安く、鉄筋コンクリートだと高くなります。
また、新しく建てる家の階数や構造、設備によって、価格に大きな差が生じるでしょう。

「リフォーム（リノベーション）する場合」の費用相場

一戸建てをリフォームもしくはリノベーションする場合の費用相場は、350万円～2,500万円程度です。
劣化した内装・外装の修繕や設備の交換など、比較的規模の小さいリフォームであれば、費用は数百万円程度で収まることもあります。
この場合、経年劣化した建物を新築当初の程度の状態に戻すことが目的となります。
一方で、間取りを変更したり、新たな設備を導入したりして新築時より高い性能にする場合には、より高額な費用がかかるでしょう。
また、経年劣化が進んだ建物においては、より高額なリフォーム費用がかかる傾向があります。
たとえば、築年数が古い家では断熱性を高めるための工事が必要となり、より多くの費用がかかる可能性があります。
前述のとおり、一般的な傾向としては建て替えのほうがリフォームよりも高額になるケースが多いです。
しかし、建て替えとリフォームのどちらの場合でも施工の内容によって、金額には大きな幅があります。
また、家の劣化具合によっては、必要な施工を選ぶ場合に価格だけでなく、費用対効果を検討する必要もあります。
自宅にとってより適切な施工方法を選ぶためには、専門家からのアドバイスを求めることがおすすめです。

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建て替えかリフォームのどちらかを選ぶ場合のポイント

建て替えとリフォームではそれぞれメリット・デメリットが異なるため、自宅の状況に合ったものを選ぶ必要があります。
ここでは、どちらかを選ぶ場合のポイントについて解説します。

建て替えかリフォームかを選ぶ場合の判断基準

建て替えかリフォームかを選ぶ場合の主な判断基準は、建物の状態と家族のライフスタイル、予算です。
具体的には、以下の点を検討する必要があります。

●建物の築年数
●あと何年住みたいか
●建物の保存状態
●家族構成の変化の可能性
●現状の性能に不満があるかどうか

自宅の現状や家族全員の希望などを洗い出したうえで、予算に合ったプランを選択するのがおすすめです。

建て替えが向いている方

まず家の状態として、建て替えがおすすめなのは築年数が古く、地盤や基礎に不安があるケースです。
また、耐震性や耐久性、断熱性などに大きな不満があり、改善したいと考えているケースも適しています。
家族の状況としては、今後も長期間にわたって住み続ける計画がある場合、建て替えをする価値があるといえます。
家族構成やライフスタイルに大きな変化が生じた場合も、間取りを自由に変更できる建て替えがおすすめです。
建て替えとリフォームの見積もりをそれぞれおこない、価格の差が小さければ建て替えを選択するのもひとつの手です。

リフォームが向いている方

リフォームが向いている建物は、保存状況が良く、大幅な改善が必要のないケースです。
建物の資産価値が高い場合や大きく構造を変えたくない場合にも、リフォームが適しています。
再建築が不可能な土地に建っている建物は、新たに建て直せないため、住宅として住み続けるにはリフォームを選択するしかありません。
現在の家に長く住み続ける予定がない方や、なるべく予算を抑えて節約したい方もリフォームがおすすめです。
家族構成やライフスタイルに大きな変化がなく、劣化した部分を修繕するだけで十分な場合は、建て替えの必要性は低いでしょう。
現在の家の面影を残せるため、住み慣れた家への愛着が深い方もリフォームが適しています。
ただし、築年数が古い家の場合、外側からではわかりにくい基礎部分の重篤な劣化が生じているケースもあるため、ホームインスペクションの結果も判断基準にすると良いでしょう。

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まとめ

建て替えは現存の建物を取り壊し、基礎部分から建て直すのに対し、リフォームは既存の建物を修繕、改築する違いがあります。
建て替えの費用相場は1,500万円～4,000万円程度、リフォームは350万円～2,500万円程度ですが、施工の範囲や内容によっても価格は異なります。
建て替えとリフォームのどちらにするか決めるポイントとしては、建物の築年数や保存状態、今後も長期に住み続けるかなどの要素を考慮できるでしょう。