住宅での断熱リフォームの基礎知識!効果・施工箇所の優先順位・費用を解説

お役立ち情報

石田 唯

筆者 石田 唯

不動産キャリア1年

親しみやすさに自信があります!

住宅での断熱リフォームの基礎知識!効果・施工箇所の優先順位・費用を解説

住宅の住み心地を向上させる工事のひとつに、断熱リフォームが挙げられます。
しかし、工事では計画性が大事であり、想定される効果や施工箇所の優先順位などは、事前にしっかり押さえたいところです。
そこで今回は、住宅に対する断熱リフォームの効果、施工箇所の優先順位、工事にかかる費用を解説します。

断熱リフォームの効果

断熱リフォームの効果

住宅での断熱リフォームによって期待できる効果は、以下のとおりです。

室内の温度を一定にする

断熱リフォームをおこなうと、住宅内で熱の移動を減らせます。
冬場には暖気が外へ逃げにくく、夏場には外の熱気が室内にあまり伝わってきません。
熱の移動が減った効果で、室内の温度が一定に保たれやすくなり、年間を通じて過ごしやすくなります。
また、住宅の断熱性能が高まれば、現在住んでいる地域の気候にあまり影響されません。
冬場の寒さが厳しい寒冷地でも、夏場の暑さが厳しい温暖地でも、家の中は快適さが保たれるでしょう。

光熱費の削減につながる

断熱リフォームをおこなうと、外気温の影響をあまり受けないため、冷暖房で簡単に室温を調整できます。
それだけエアコンなどの稼働時間が短くなり、光熱費を削減できるものです。
冷暖房で光熱費がかさみやすい住宅には、古い日本家屋が挙げられます。
古い日本家屋は、断熱材を使っていないことがあり、開口部の多さもあって冷暖房で光熱費がかさみやすいです。
しかし、断熱リフォームをおこなえば、工事の効果で以前より光熱費を抑えやすくなります。

健康管理に役立つ

断熱リフォームは、住人の風邪予防やアレルギー予防につながることがあります。
なぜなら、工事をおこなうと室内の環境が変わり、風邪やアレルギーの原因が減りやすいからです。
風邪の原因には、室内の冷えや乾燥、アレルギーの原因には結露によるカビなどがあります。
いずれも、住宅の断熱性能が低いときに生じやすいものです。
断熱リフォームをおこなえば、住宅の気密性が高まり、室内の冷えや乾燥を防ぎやすくなります。
また、住宅内で熱の移動が減れば、窓際などで結露が抑えられ、カビがあまり生えません。
結果として、住宅のなかで以前より健康的に過ごしやすくなります。

ヒートショックのリスクが下がる

住宅のなかで場所ごとの温度差が大きいと、ヒートショックが起きることがあります。
とくに気を付けたいのは、居室と浴室の温度差です。
寒い時期には、居室と浴室で温度差が大きくなり、入浴時にヒートショックが起きやすくなります。
しかし、断熱リフォームをおこなえば、部屋同士の温度差が縮まり、ヒートショックのリスクが下がります。

▼この記事も読まれています
一戸建てをリノベーションで減築するメリットとは?費用の相場も解説!

断熱リフォームにおける施工箇所の優先順位

断熱リフォームにおける施工箇所の優先順位

住宅で断熱リフォームをおこなうとき、施工箇所には優先順位があります。
主な優先順位とその効果は、以下のとおりです。

優先順位が高いのは窓

住宅のなかで、断熱リフォームを優先的に検討したいのは窓です。
窓は、住宅のなかでも、とくに熱の移動が起きやすい箇所です。
窓の断熱リフォームをおこなうことで、住宅内で起きている熱の移動の半分以上を防げるケースも少なくありません。
住宅の断熱性能を効率良く改善できるため、窓の施工は優先的に検討しましょう。
窓で可能な断熱リフォームには、窓自体の交換、内窓の設置、窓ガラスの交換などがあります。
このうち、比較的おすすめなのは、内窓の設置や窓ガラスの交換です。
窓自体の交換を選ぶと、既存の窓を解体し、新しい窓を設置する流れとなります。
この方法は、手間がかかりやすく、費用がかさみやすいです。
内窓の設置や窓ガラスの交換でも、窓の断熱性能は高められます。
工事にかかる手間や費用などをふまえ、具体的な施工方法を検討しましょう。

天井の優先順位

住宅の断熱リフォームにおいて、天井の優先順位は比較的高めです。
なぜなら、天井は屋根のすぐ下に位置しており、直射日光による熱気が伝わりやすい箇所だからです。
また、天井や屋根では、断熱処理がされていない、もしくは乏しいことがあります。
天井に断熱リフォームをおこなえば、屋根越しに伝わる熱気を軽減でき、室内の環境が快適になります。
なお、直射日光による熱気を防ぎたいとき、屋根と天井のどちらかの施工が想定されますが、費用が比較的かかりにくいのは後者です。
費用対効果を意識するなら、天井の施工を優先的に検討しましょう。

壁の優先順位

住宅の断熱リフォームにおいて、優先順位がやや低いのは壁です。
比較的新しい住宅で、建築時に一般的な施工方法や建材が用いられていれば、壁にはすでに一定の断熱性能が備わっているものです。
一定の断熱性能がある箇所に、追加で断熱リフォームをおこなっても、効果をあまり感じられないかもしれません。
現時点で、壁の断熱性能がいまひとつなら、断熱リフォームによって改善が期待できます。
ただし、壁を施工するには、家具家電を動かしたり、既存の壁を一度解体したりする必要があり、工事の規模が大きくなります。
それだけコストがかさむため、壁を施工するときは、費用対効果をしっかり検討しておかなければなりません。

▼この記事も読まれています
一戸建てをリノベーションで増築するメリットとは?デメリットや費用も解説

断熱リフォームにかかる費用

断熱リフォームにかかる費用

断熱リフォームにかかる費用は、以下のとおりです。

費用の相場

断熱リフォームにかかる費用は、施工箇所や工事の内容によって変わります。
窓の施工にあたり、窓ガラスを交換するなら、1万円~3万円が相場です。
サッシの交換には、3万円~10万円、内窓の設置には5万円~12万円かかります。
天井を施工するなら、1㎡あたりに2,000~8,000円かかるのが一般的です。
壁の施工において、充填断熱を選べば、相場は0.5万円~1万円となります。
充填断熱とは、柱や梁の間に断熱材を詰めていく方法で、内断熱や内張り断熱とも呼ばれます。
敷地面積を広げたり、壁を厚くしたりする必要がなく、狭小住宅などでも実施可能です。
一方、壁に対して外張り断熱を選ぶと、相場は0.5万円~9万円となります。
外張り断熱とは、建物の構造を断熱材で覆う方法です。
高い断熱性能が期待できるものの、壁の厚みが増してしまう点には注意が必要です。

断熱リフォームで受けられる補助金

住宅でおこなう断熱リフォームでは、補助金を受けられるケースがあります。
2025年度の補助金には、先進的窓リノベ2025事業が挙げられます。
補助される金額は、1戸あたり200万円が上限です。
また、ガラスの交換なら1枚あたり0.5万円~5.5万円、内窓の設置なら1か所あたり1.2万円~10.6万円などと、工事の内容によって金額が定まっています。
利用の申請期間は、2025年3月の下旬から12月31日までです。
このような補助金を受けられると、工事費用の負担が軽減されるため、利用できるものがないか、一度調べてみましょう。

費用を節約するコツ

断熱リフォームの費用を節約するコツは、工事にあたって優先順位を付けることです。
建物全体で断熱リフォームをおこなえば、それだけ性能は向上しますが、費用はかさみます。
優先順位の高い箇所に絞って工事をおこなえば、断熱性能を効率良く改善しながら、費用は抑えられます。
なお、優先順位を付けるときは、現在の悩みに関係する箇所をしっかり見極めることが大切です。
現在の悩みにあまり関係しない箇所で工事をおこなうと、断熱リフォームの効果を感じにくくなってしまいます。

▼この記事も読まれています
ワンストップリノベーションとは?メリット・デメリットについても解説

まとめ

断熱リフォームで期待できる効果には、熱の移動を減らして室温を一定にする、冷暖房の効率が上がって光熱費を削減するなどがあります。
施工箇所としての優先順位がとくに高いのは、熱の移動が起こりやすい窓であり、屋根越しに熱気が伝わってくる天井も、比較的重要です。
費用は、施工箇所や工事の内容次第で、窓ガラスを交換するなら1万円~3万円、天井なら1㎡あたりに2,000~8,000円が相場です。


”お役立ち情報”おすすめ記事

  • ペットとの同居はリフォームで快適に!マンションと戸建の違いを解説の画像

    ペットとの同居はリフォームで快適に!マンションと戸建の違いを解説

    お役立ち情報

  • リノベーションで注目のヌックとは?基本概念を解説の画像

    リノベーションで注目のヌックとは?基本概念を解説

    お役立ち情報

  • 「収納リノベーションで快適な住まいを実現!種類と流れを解説」の画像

    「収納リノベーションで快適な住まいを実現!種類と流れを解説」

    お役立ち情報

  • お風呂リノベーションの種類を知っていますか?費用や注意点をご紹介の画像

    お風呂リノベーションの種類を知っていますか?費用や注意点をご紹介

    お役立ち情報

  • マンション最上階の魅力と注意点は?引っ越しのメリットデメリットをご紹介の画像

    マンション最上階の魅力と注意点は?引っ越しのメリットデメリットをご紹介

    お役立ち情報

  • マンション購入時の費用を見逃していませんか?管理費や修繕積立金をご紹介の画像

    マンション購入時の費用を見逃していませんか?管理費や修繕積立金をご紹介

    お役立ち情報

もっと見る